8月14日、知床・羅臼岳でヒグマによる死亡事故が発生しました。20代男性が同行者と下山中にヒグマに襲われ、藪の中に引きずり込まれ、その後遺体として発見されました。この事件により登山道は閉鎖され、周辺のヒグマを対象にDNA鑑定が進められています。ネット上では「登山者の自己責任」や「クマがかわいそう」といった意見が交わされています。
心理学的には、自己責任論は人々が公平な世界であると信じたい心から生まれるとされています。この事件の背後には天候や地形、クマとの遭遇確率など状況要因が大きく関わっていることが指摘されています。
この悲しい事故に対するネット上の反応には、いくつもの心理的メカニズムが働いています。登山者に全ての責任があるわけではないですし、天候や地形、偶然による要因を無視して被害者を非難するのは早まった結論です。また、ヒグマに対する過度な擬人化は、「無垢な自然を守るべきだ」という感情を誘発することがあります。しかし、それが共存の妨げになることも少なくありません。今回の事件を考える際には、冷静で科学的な視点が必要です。山岳地での危険を最小限にするために、電気柵やゴミ管理などの具体的対策を講じることが求められます。このような有効な措置によって、被害を防止し、動物との調和を実現することが可能です。人間の生命と野生動物の生存のバランスを追求することが、両者にとっての未来を築く鍵となります。
ネットからのコメント
1、「登山者が悪い」「クマがかわいそう」。
そうかも知れない、しかし人間社会に住む我々にとって人間側の命の方が大事。クマが人間を襲う様になった事については人為的な面もあると言う見方もある、観光客が無闇に餌を与えたからとか。それでも身勝手を承知で言うなら人間側の命を守るためには駆除しかないのが現状と言う事だと思います。
2、被害者を責めず、クマだけを神格化も悪魔化もしない現実的なリスク管理と対策ですこれなんだよね。現実的に被害が出る所は駆除でも仕方なし。ただ被害が出ないように対処するのも大事だと思います。
3、登山に関心無い者は山に登る側が悪いと捉えるだろうし、動物愛護からは駆除されるクマがかわいそうと思うことは特別の事ではない。ただこの事態を鑑みれば、キャンプ地等での食料に関して厳格な法律、故意の餌付け禁止、生息地を訪れる全ての人へ教育の徹底を即実施するべきだろう。そしてクマの頭数管理。これはクマと人間双方の未来を守るための科学的な取り組みであるという認識を持つことは人とクマの共存にとって不可欠。
4、日本百名山を完登した人に、『北海道の知床や大雪山系に夏登るのは危険ではないのか?』と聞いたことがある。
その人は熊のことはそれほど危険だとは考えなかったそうだ。それもそのはず、登山者が捕食のため熊の犠牲になったのはこれが初めての事例だから。これまでは熊が人を食べる必然性がなかったからだろう。しかし、これからは違う。人が熊のテリトリーに入らなくても、餌が少なくなった近年は向こうから人間のテリトリーに入ってくる。私が住む県でも、ツキノワグマしか住んでいない県だが、これまで山での目撃情報はあったが、市街地で見かけることはなかった。それが、今年に入って住宅地での目撃が相次ぐようになっている。熊は駆除しなくても向こうから確実にやって来る。彼らは駆除にクレーム電話を掛ける人を、たぶん見逃してはくれない。彼等は平等に人を狩るだろう。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/c63ac7a706e54c759127881734547813f3a0e64a,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]