昨年元日に発生した能登半島地震により、石川県内の特別養護老人ホームなど少なくとも29施設に入所していた935人が県内外へ避難していたことが判明しました。断水や停電の影響で衛生面が悪化、職員不足に直面したため、避難が選ばれた施設が多くありました。避難先から戻らず死亡した入所者は150人に上り、避難生活が原因かどうかは不明です。
多くの避難は地震発生後5日目までに実施され、その時点で137人が避難。6~18日目にかけてはさらに554人が県内外へ移送されました。結果として元の施設に戻れたのは369人で、全体の4割弱にとどまりました。中には車いす利用者や認知症、寝たきりの高齢者も含まれていました。施設の多くは「衛生面の悪化」「職員不足」を避難の理由とし、「避難が最善の選択だったのか分からない」と反省する声もありました。

災害時における施設の対応は、被災者の命を守る重要な役割を果たしますが、今回の事件はそこにある脆弱さを露呈しています。地震による断水や停電は施設運営に大きな支障をきたし、職員不足もこれを悪化させました。全員避難という決断は理解できますが、その選択の是非については疑問の声も多く聞かれます。問題の本質には、災害時の施設運営の計画不足があり、これは全国的な制度の欠陥として改善が求められます。
まず、災害時の対応マニュアルを再検討し、避難のトリアージを導入して個々のニーズに応じた対応を行うことが必要です。また、職員の確保と非常時の労働力のサポートを制度的に整備することも急務です。そして、地域社会との連携を強化し、コミュニティ全体での支援体制を築くことも重要です。この事件は、施設の日常的な安心感を築くために、いかに柔軟で迅速な制度設計が必要であるかを示しています。施設入所者の命を守るために、今こそ改革が求められる時です。
ネットからのコメント
1、避難したから亡くなった訳ではないと思います。ご老人なので、その土地にとどまっても寿命というものがあります。地震で建物や設備が損傷すれば移らざるを得ない。避難したから亡くなったかのような書き方は、どうかと思う。
2、結果論では935名のうち150名がお亡くなりになってますが、100人のご入居者様がいる施設でひと月に2〜3名退所される場合もあるので、県外に避難したことが根本的な原因ではないと思います。むしろ衛生面で不安のある施設に留まる方が良くないでしょうね。なので施設の決断に間違いはなかったと思います。
3、地震などの災害の折、最も命を落とす方が多いのがこういった方々。生まれ育った土地を離れ、避難した先で亡くなってしまう。何ともお気の毒ではあるけれど天災ゆえどうしょうもない。ご自身も被災者であるだろうに搬送など入居者の為に尽力されたであろう職員の方々には、父をやはりこう言った施設に預けている身としては感謝しかない。有難う御座いました。そして生活していたところに戻れる日を待ち望んでいられる方々が1日も早くお戻りになれますよう、祈ります。
4、ご高齢の方々の避難に関しては、判断を間違えると命に関わるということ、映画フロントラインでも描かれていましたね。自分もそろそろその年代に突入することを考えると、とても人ごととは思えません。老後の一人暮らしや施設入居と災害との関係を、改めて考えさせられました。施設に入っていない期間も、在宅でどこまで自力で自身の身を守れるのかということにも向き合って、今後の生活を見直したいと思います。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/d8d75c3a85075b1d163a2c5995fc566c00bc4671,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]