生成AIの普及が企業の採用活動に変化をもたらしている。AIの使用でエントリーシートの内容が均質化され、書類選考に頼らず応募者全員を面接する形式を採用する会社が増えている。ロート製薬は2027年4月入社の新卒採用からこの形式を採用し、「エントリーミート採用」と名付けた。この制度では、応募者が希望する面接の枠を予約し、人事担当者との15分の面談から始め、その後複数回の面接やグループワークを経て内定が決まるフローを導入した。
アンケート調査によれば、就活生の約67%がAIを利用しており、目的の多くがエントリーシートの推敲や作成だった。

この動きは、AIが就職活動における個人の創造性や表現力を侵食していることの証である。問題の根本には、AIの急速な普及に伴う技術依存が潜んでいる。人間の能力評価を行う場で均質化された情報に頼ることの危険性を認識し、改善を図るべきだ。まず、採用プロセスにおけるAIの使用を一度見直し、人間らしさを尊重した評価軸を再構築することが求められる。さらに、AIへの依存度を低下させるための教育プログラムを増やし、未来の働き手の人間性と業務適応力を育む環境を整備する必要がある。最後に、企業側もAIが提供する情報に頼りすぎず、応募者の真の能力を見抜くための訓練を受けるべきだ。こうした変化を通じて、真の個性を打ち消すAIに対抗し、採用市場に新たな価値をもたらすことを期待したい。
ネットからのコメント
1、AIのおかげで、会って人間性見た方がいいね!という原点に戻ったのはいいと思う。エントリーシートでいいことあることないこと書いてるだけの人が採用よりいいよね。なんだかんだ言っても、アナログな事が必要になるときもありますよね。
2、最近サイバーエージェントの藤田さんがインタビューで地頭の良さではなく「素直でいいやつ」で採用するとおっしゃっていたとおりですね。派遣の採用ではなく組織を作るという目的なら確かに「素直でいいやつ」かどうか重要だと思います
3、生成AIをエントリーシートなどの作成に利用することは決して悪いことではありません。人間は様々なツールを利用してその活動をより便利にしてきたのですから。これからの社会では当たり前のツールとなり、仕事の中でも普通に使用するようになってくるでしょうから、寧ろ活用できない学生の方が問題です。自分もキャリアセンターのスタッフとして積極的に利用することを勧めています。ただ、ツールはツールであってそれを使いこなしながらどう自分らしさ、独自性を出していくかが重要なのです。
そこを勘違いして生成AIに頼り切っているような学生は評価されないということを学生は認識すべきです。
4、中学校教員ですが、生徒にはAIを使いこなせと指導しています。「エントリーシートを書いて」では、当然均質化した内容しか出てきませんが、自分にしかないエピソードや、自分の価値観や人生観、そういうものをきちんとAIと一緒に壁打ちした上で使うのであれば、かなり個性のあるエントリーシートができあがるとは思います。とはいえ最後にその完成したエントリーシートを採用するか、手直しするかは自分の選択でしかないわけですから、それもあわせてAIを使いこなす力だよと伝えています。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/9855c1a7c51a34f016303a08a0ef25efa67ae87a,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]