日本では深刻な人口減少問題が進行中です。2022年の出生数は68万6173人と過去最低となり、死亡数は160万5378人で、結果的に年間で約90万人の人口減少が生じています。この状況に対して、高市早苗総理は子供・子育て政策を含む人口減少対策の検討を明言しました。参考として、長野県下條村は1991年に3800人まで減少した人口を、2005年には4200人へと回復させた成功事例として取り上げられています。

村の取り組みとして、医療費の無料化や保育料の削減、村営住宅の提供など、充実した子育て支援が行われ、合計特殊出生率は1.64と全国平均を上回っています。だが、周辺自治体も同様の支援に乗り出しており、「人の奪い合い」に限界が見えつつあります。専門家は、少子化対策を国や社会のためではなく、個人の理想の子供数を叶える支援にフォーカスすべきと提言しています。

人口減少の問題は深刻で、その影響は国の未来に重大です。高市総理の所信表明が示す通り、日本の人口減少はもはや看過できない社会問題です。この現状を打破するには、制度の欠陥に目を向ける必要があります。例えば、出生数の減少や育児負担の大きさといった根本原因を直視し、下條村のように地域に根ざした具体策が求められています。しかし、成功事例とされる下條村でさえ、広く共有すべき教訓が得られていない今、以下の対策を考えるべきです。

まず、全国的な子育て支援の強化として、医療費や教育費の無料化、育児手当の拡充が必須です。次に、地域コミュニティの再生を促進し、共働き家庭に適した働き方改革を進め、新しい形の社会的つながりをサポートします。最後に、若者が地元に誇りを持てるような地域づくりを推進すべく、持続可能な経済活性化策を検討します。新しい命を迎える条件整備が、人口減少の防止には欠かせず、その実現こそが社会の未来を切り開くカギです。

ネットからのコメント

1、日本では、高所得者ほど既婚率が高い。結婚している世帯の子供の数はあまり変わっていない。３割ほどが働く大企業と７割ほどが働く中小企業では世界がまるで違う。結婚している世帯に支援をしても出生率の点では意味があまり無い。支援自体は大切だが。多くの人が働く中小企業の賃金が実質で上がり続ける政策が望まれるが、日本では低所得者ほど選挙に行かない。今後も人口減少は加速し続けるだろうが、多くの国民の選挙行動の結果（選挙に行かないことも含めて）なので、厳しい現実は変わらないだろう。

2、移住者が増えることと出生率が上がることは別の話。

今は昔と違って、「後継ぎを残す」とか「結婚して子供を育てて初めて一人前」なんて風習は無くなったからね。子育て支援を充実させる為に改革などと言って従来の行政サ－ビスを削ったり増税したりして自己責任を押し付ければ、僅かな支援の為に子供を作るよりも、自衛の為に将来に備える人の方が多くなると思うけどね。

3、大企業だと30年前と変わらず、結婚して子供のいる若手多いですね。昔と違うのは共働きであること。社内結婚もそこそこいるし、何よりも決定的に違うのは、男性が育児休暇(休職)を取得する事。取得率はほぼ100%です。大企業や公務員の世界では婚姻率も子供がいる割合も高いと思います。なので、少子化対策を行うならまずは婚姻率を上げることが重要だと思います。

4、自治体が子育て支援をやって出生率が上がったというのは日本全体で見ると意味がありません。元から子供を作る予定の人を他所の自治体から奪っているだけだからです。ここの例だと下條村の子供が増えた分、近隣の飯田市の子供が減っています。本来は飯田市で生まれる予定の子供を下條村が奪ったからです。

現状の子育て支援は元から子供を作る予定の人に対しての支援であり、少子化対策として意味をなしていないのでやめるべきです。