繰下げ受給した70歳の女性・Aさんの事例を通じ、年金制度の盲点が明らかになった。Aさんは老齢年金を5年間繰下げし、通常より42%増額された年間182万円を受給開始。しかし、夫Bさんが突然亡くなり、遺族厚生年金を頼りに年金事務所を訪れたところ、自身の老齢厚生年金額(71万円)を差し引いた差額分(49万円)の支給に留まることを知る。
結果として、繰下げを選択したにもかかわらず、遺族厚生年金との調整により、生涯受給額が期待に反して繰下げをしない場合と同額となり、5年間の繰下げ期間が無駄になった。

年金受給制度の盲点が表面化した今回の事例は、制度設計の不備を浮き彫りにしています。繰下げ受給が「長生きに備える仕組み」として一定のメリットを提供する一方で、配偶者の死去という不測の事態によってその努力が損なわれることがある現状は、個人の人生設計を妨げる重大な課題です。
問題の本質は、遺族厚生年金の調整過程に透明性と合理性が欠如している点です。現在の制度では65歳以降、遺族が自身の老齢厚生年金を受け取る場合、遺族厚生年金が事実上減額される仕組みとなっています。これにより、繰下げ受給者は不利を被りやすく、不確実性が高い老後資金計画において大きなリスクとなり得ます。
解決策として、以下の改善が求められます:
遺族厚生年金と老齢年金を独立して受給できる選択肢の検討。繰下げ選択時に予測される受給調整額を正確に通知する仕組みの導入。配偶者の死亡後に特例措置を適用し、繰下げ増額分に配慮した公平な調整を行う仕組みの構築。これらを実行しない限り、国民の不安が増し、年金制度自体への信頼が損なわれかねません。「長生きリスク」という言葉が浸透する現代において、受給者にとって明確で安心して活用できる制度運用こそが必要です。こうした改善が行われれば、年金制度が再び真のセーフティネットとしての役割を果たすでしょう。
ネットからのコメント
1、そうなんだよ!夫婦セットならまぁ生きていくに不自由ない金額なのだが片方が欠けるともう大貧困がまってるんだ!ただそうはいうものの老後にもらう金額を生前自分で貯められるのか?といったら大半は無理だともいえる。思うに日本国家はまずちゃんと納税してきた者三大義務を全うしてきた者を優先すべきで、納税していない者としっかり格差をつける必要あるんじゃないか!と思う。
2、もし、旦那さんも繰り下げしていて支給額が増えていたとしても、遺族年金の計算は繰り下げ前の額が基礎になりますからね。
悪どい制度です。そもそも、79歳くらいまで生きないと、受給額が支払った額に達しないから払い損だし。79歳くらいまでしか生きられないなら、繰り上げしても繰り下げしても総受給額はほぼ変わらないから、繰り上げしたほうが得な場合も起きますし。
3、65歳前に旦那さんを亡くして遺族年金の手続きに行った人が計算が済み遺族年金が振り込まれるまで約4ヶ月掛かると言われたそうです。私は厚生年金と共済年金が一元化されてから年金機構に特別支給の厚生年金受給の手続きに行きましたが一元化されていても両方に加入歴が有れば支給元は二つ有り複雑だとか。ま、貰える権利が出来たら直ぐに貰うのが一番です。明日の命が有る保証は無いので。
4、毎度お馴染みのGOLDONLINEの『遺族年金の勘違いシリーズ』です。だいたい妻が年金事務所で『うそでしょ!』と叫ぶのが定番です。年金の繰下げ受給は、受給を遅らせた分を長生きして元を取る事になるので、この記事の妻は健康に留意して長生きするしかありません。我が家も妻が繰下げ手続きをしていますが、遺族年金を受給する場合は私の厚生年金との差額分になることは理解しています。
我が家は姉さん女房なので、平均寿命からどちらが先に逝くかを考えると、あまりデメリットはないと想定しています。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/2876cdc479094a3395f6f72112ff054445a7ea86,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]