事件概要:2025年8月6日、実業家の西村博之(ひろゆき)氏がABEMA「Abema Prime」に出演し、「ペーパーティーチャー」の利点について語った。ペーパーティーチャーとは、教員免許を持っているものの、教育現場での経験がない人物を指す。現在、全国の約2割の公立小中学校で教員不足が深刻化しており、その穴を補う役割として注目されている。
ひろゆき氏は、勉強を教えるのに学校よりも塾が効率的だとし、学校の役割は人間関係を調整することだと強調。社会人経験がある人の方が、生徒に人生のアドバイスをできると述べ、ペーパーティーチャーが優秀である理由を説明した。
コメント:ひろゆき氏の主張は一見合理的に見えますが、教育における本質的な部分を軽視しているように感じます。学校教育の役割は、単に知識を与えることにとどまらず、生徒の社会性や人格の形成を担う重要な場です。人間関係の調整や社会性の発展には、長期的に現場で積み重ねてきた経験が不可欠であり、ペーパーティーチャーがその部分を補えるかは疑問です。また、社会人経験が豊富でも教育の方法論を知らないと、生徒に対する適切な指導は難しいのが現実です。教育界の根本的な問題は、経験者を育てるシステムやサポートが不十分である点にあります。
解決には、現場の支援体制の充実や、教師としての訓練をより実践的に強化する必要があります。
ネットからのコメント
1、偏差値50以上の子だけを集めて指導するなら、教育は簡単だと思う。このレベル帯なら、小学校で習う程度の内容ならすぐ理解するだろうし、指示も正しく理解して、期待通りの動きをするだろう(中高にかけて、偏差値50では学習ではついてこれなくなる子もいる)。問題は偏差値50以下。こちらは何度言っても理解できない。学習も先生の指示も。だから先生の労力の大半は、この偏差値50以下の子達に向けられる。結果、学校では難易度の高い学習は扱えず、偏差値50以上の子達は先生を見下して、塾の先生の方がいい言い出す。
2、民間から、教員になって20年以上になりましたが、いまだに、民間企業の頃の感覚がかなり残っています。民間企業を経験していたのもあって、教員に転職してからずっと道徳を教えるのが嫌いでした。ただの綺麗ごとで社会に出ればブラックな事もやっていかないと自分が生きていけないことを痛感したためです。ようやく最近になって、綺麗ごとでも道徳をしておかないと、社内の不正や社会の不正にまずは、素早く気付くことが出来ないな、と思えるようになってきました。
ひろゆきさんの発言よりも、自分としては人間力が高い人かどうかがどの職種でも共通して求められる力じゃないかと思います。
3、教師は特殊な仕事。顧客がいない。金による利害関係が無い。基本的には、教師の方が年上。利益を生み出す仕事ではない。非常に難しい事を仕事にしている人達。一日のほとんどの時間を未成年と過ごし、閉ざされた環境に見えてしまう。子どもにとっての社会は学校であり、働き始めてから、社会の広さを実感し、希薄な(適度な距離の)人間関係も学ぶ。学校の友人関係が絶対ではない。と知ることができる。それらを社会人経験の一つだとすると、今が全てではない事を実感を持って伝えることができる。役所勤めも、中途採用のほうが融通を利かせようと検討してくれるが、新卒職員は言われたことしかしようとしない傾向がある。公務員に限らず、他の世界を知っていることは、とてもプラスになる。
4、何をもってして「優秀」なのかってところだと思います。塾の方が点数を上げやすいのは現場の教員は百も承知。だけど敢えて「点数」でなく「考え方」を広げる指導をするのが今学校で求められていることだと思います。
それに、教員の仕事は授業だけじゃなく、普段の生活に加え特別活動や課外活動、式典や行事を通して「人間」を育てること。さて、大人一人で丸一日中学生を30人まとめることが、どれほどの技術が要るか想像できますか?その中で従順な生徒もいれば反抗的な生徒、大人に不信感をもっていたり、誰かにいじめられていたり、家庭に問題があって心に闇を抱えている生徒、給食費も払えない家庭の生徒、不登校の生徒⋯優秀なペーパーティーチャーがいきなり担任を持つことができますか?何をもってして「優秀」なのでしょうか?
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/5b96d9306df2f0052ca02c5e95a45aaa503cefeb,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]