事件概要:
宮崎県には全国で唯一の「3局クロスネット局」であるテレビ宮崎(UMK)が存在し、フジ・日テレ・テレ朝の3局と連携した番組編成を行っている。これは県内の広告市場が約120億円と最下位水準であるため、55年前の開局時に2局体制となり、UMKが3局と提携する形になった。
だがこの複雑なネット体制により、災害報道やスポーツ中継、特に2023年のWBC決勝のような重要試合の放送が困難になるなど、視聴者に不利益が生じる場面も多い。また、社員の離職率も高まり、若者離れも進行。テレビ業界全体が構造的苦境に立たされている現状が明らかとなった。
コメント:
本来、視聴者に多様な選択肢を提供すべき放送インフラが、構造的な制約により逆に視聴機会を奪う結果となっているのは明らかに異常だ。日本で唯一の3局クロスネット体制を維持する宮崎のテレビ宮崎。その仕組みは、限られた地方広告市場と放送免許制度の歪みがもたらした産物であり、すでに制度疲労を起こしている。災害時や国民的試合の未放送は、もはや「珍しさ」では済まされない。
問題の本質は、地域独自の編成を犠牲にせざるを得ないメディア体制の硬直性だ。
1つ、総務省によるネットワーク系列制度の再設計。2つ、地域単位でのサブチャンネル制度やネット放送の活用拡大。3つ、地方局に対する放映権料の優遇措置と災害時の特例編成権の付与。これらを講じなければ、視聴者の信頼も放送の意義も薄れる一方だ。
情報の地域格差は文化の死角を生む。多様性の名のもとに、不自由を強いられる現状を放置するのは、もはや無責任である。真の地域貢献とは、ローカルを理由に選択肢を奪わないことである。
ネットからのコメント
1、いまだにテレビは、radikoみたいに都道府県ごとに放送してる番組を全て視聴することができず、観られる地方の番組はTVerとかで増えてきましたが遅れてますわ。まずはここの整備からやればいいのにと思います。
2、このテレビ宮崎こそ他のローカルテレビ局が将来に渡り存続できるヒントがあるのかもしれない。地方には系列ごとのローカル局はいらないといった声がある中、クロスネット局という経営スタイルはこれからのお手本になるかも知れない。記事にあるように編成の大変さや、業務の煩雑さなどネガティブな要素はあると言うものの、これこそがローカル局が生き残る最善の方法に感じるが。
今待ったなしのローカル局は皆が思っている以上に多いのだ。がんばれテレビ宮崎と応援したくなる。
3、今年生まれて初めて宮崎県に旅行に行ったが、宿泊先のテレビをつけて局数の少なさに驚いた。テレビ離れが進んでると言ってもやはりテレビは見るからなあ。ちょっと宮崎には住みたくないかもと思わせる一つの要因になるかも
4、今の時代、配信もあるしテレビ自体から離れてる人も多いし、利便性という意味ではほとんど問題ない。ただ田舎の象徴と言えるような状況だし、X見たりするとリアルタイムの情報とかけ離れているから、これは新しい情報格差だなと思うようになった。若い人が県を離れる潜在的な理由の一つにもなっているかも。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/c31174240656ddd8843b4722fe8598c25f1a840e,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]