北陸新幹線の敦賀~新大阪間延伸では、2026年7月時点で複数ルート案が対立している。候補は米原経由、京都駅を通る南北案、京都駅を外れる桂川案の3案である。米原案は既存の東海道新幹線を利用する低コスト案だが、過密ダイヤが課題。南北案は利便性で優れる一方、京都市内の地下水や地域産業への影響が懸念される。桂川案は影響が比較的小さく、与党内では採用される可能性が高まっている。JR西日本は7月10日、南北案が最も望ましいとの見解を示した。開業は30年以上先と見込まれる。
北陸新幹線延伸の議論で露呈しているのは、日本の大型インフラ整備が「何を最優先するのか」を決めきれないまま、調整に年月を費やしている現実だ。数十年先の国家的交通網を決める場で、コストや地域事情だけが前面に出れば、完成した時には時代遅れの路線になる危険がある。利用者の利便性、広域交通の効率、将来の人口構造まで見据えた判断が必要だ。
問題の本質は、長期的な国土設計を担う明確な基準が不足していることにある。地域への影響を軽視してはいけないが、反対意見への配慮だけで決定を先送りすれば、社会全体が不利益を被る。
解決には、①第三者機関による透明な費用対効果評価、②地下水など環境影響への科学的調査と補償制度の整備、③将来需要を踏まえた全国交通網の長期計画策定が必要だ。
便利で持続可能な交通を残すのか、それとも目先の調整で未来の選択肢を失うのか。30年後に問われるのは、政治家の都合ではなく、今の世代が未来への責任を果たしたかどうかである。
ネットからのコメント
1、今になって思うのは、なぜ金沢〜敦賀を延伸する前に、敦賀〜新大阪のルートを確定しなかったのかということです。金沢〜敦賀だけ先に開業した結果、敦賀乗り換えが発生し、その後になって小浜ルート、米原ルート、桂川案などで議論が迷走しています。もし当時、敦賀以西のルートを決定し、関係自治体との合意形成の見通しを立ててから金沢〜敦賀を延伸していれば、ここまで混乱しなかったのではないでしょうか。インフラは100年使うものです。だからこそ、「なぜこの順番で事業を進めたのか」という政策判断は一度しっかり検証する必要があると思います。
2、この議論でずっと不思議なのは、机上の理屈と会社都合と政治都合を熱くバトルするばかりで、工期が異常に長いのを問題と考える意見が殆ど出てこない事。
30年!色々事情はあるにせよ、物理的要因を無視してまで押し通さなければならないその「事情」とやらを不可侵領域にしてしまったのが躓きの始まりです桂川・南北案どちらに決まっても、この先更なる躓きが待っている不安ばかりです。本当に完成するのでしょうか。
3、これから人口が大幅に減少する中、多額の税金も投入して敦賀から大阪まで新幹線が必要だと思えない。どうしても繋げたいなら時間、コスト共に最小である米原ルートで米原駅乗り換えにするべき。
4、ルート案の結論が出たところで、工事に着手できる訳ではありません。京都府・市は水がどうだ、残土がどうだ、とかごねてますが、要は、欲しくもない北陸新幹線の莫大な建設費を、なぜ負担しないといけないのか、というその一点がネックです。現行の整備新幹線建設の仕組みは、建設費を一部負担しても来て欲しい、という沿線自治体の強い要望に応えて作られたものなので、京都のように要らない、という自治体が出てくると先に進めなくなります。ただ、北陸新幹線にしても、同じく膠着状態の西九州新幹線にしても、要らないという自治体を経由して全線が繋がらないと、その効果を最大限発揮できません。
その意味で、未着工区間は国家プロジェクトとして建設する、という建付けにして、建設費は全額国費にて負担するしかないと思います。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/0b121e0daec9f3cd23c488003da2af9e65c88933,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]