厚生労働省は2023年10月12日、社会保障審議会介護給付費分科会にて、2026年6月に臨時で介護報酬を改定する方針を発表しました。この改定では、生産性の向上や協働化に向けた取り組みを新たな処遇改善加算の要件に追加する予定です。通常の介護報酬改定は2027年度に計画されていますが、近年の物価上昇を考慮し、2026年度に前倒しで改定が行われることになりました。
また、2025年度の補正予算案では、2025年12月から2026年5月までの間、介護職員やケアマネジャーらの賃金を月1万円引き上げることが検討されています。しかし、関係者からは、市町村の給付費基金を活用する方針に対する懸念と、賃上げ幅を月2万円にするなど、より大胆な改善案を求める声が上がっています。

介護報酬の臨時改定とその処遇改善加算の要件追加に対する対応は、一見すると合理的に見えるものの、その背後には深刻な課題が潜んでいます。職員の待遇を改善しようとする試みは称賛に値しますが、それによって保険料や利用者負担が増加する可能性がある点は直視せねばなりません。また、財源として市町村の介護給付費基金が頼られていることは、未来の不測事態に対する備えが不足する危険性を孕んでいます。解決策として、まずは公費負担の割合を検討し、福祉財政の持続可能性を確保することが不可欠です。
次に、介護分野の賃金を他産業と比較し、競争力のある水準にするためにも、国が主導して月2万円以上の賃金改善を財源面でサポートするべきです。最後に、生産性向上という名の下に職員へ過度な負荷がかからないよう、現場の声を反映した柔軟な基準設定が求められます。これらの取り組みを通じて初めて、介護現場が抱える問題に真に向き合うことができるでしょう。持続可能な福祉制度の構築は、我々が追求すべき社会の理想像を体現する一歩となるはずです。
ネットからのコメント
1、介護施設の給料は、処遇改善加算なくしてあげることは不可能ぐらいの経営状況です。いくら対象を拡充しても、処遇加算の率をあげてもらわないと意味はありません。介護報酬の改定は、3年に一回しかないので3年分の給料上昇ができるようにしてください。事業所は、法律で決められた介護報酬しか取ることができないので、サービスの質を高まるのでなく、どうサービスの質を落とし即ち人件費を削ることでしか経営ができなくなりつつあります。経営陣から人件費を削るように言われていることを国は理解して欲しいです。
2、介護業界で働くのは介護士とケアマネだけではないですからね。そこには看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、場所によっては歯科衛生士などの医療職も働いています。ですがこれまでの処遇改善にこほとんど恩恵受けておらず、ほぼ変わっていない現状があります。特に今回名前にある介護老人保健施設は必ずそういった医療職を配属する義務があるにもかかわらず、恩恵うけられていない現状はいかがなものかと思っています。必要と思っているなら介護士と同じように大事にしてほしいです。
3、今回の診療報酬改定3.09%もそうですが、国としては限られた予算の中で頑張ってやりくりしているのでしょうが、今のインフレに対して全く足りていないのが実情です。本当は10%以上の上げ幅が必要なのでしょうが、国民負担や反対を考えると出来ない。このままでは近い将来本当に医療インフラは崩壊します。もはや富裕層から貧困層まで平等な医療を提供していくのは無理なんですよね。納めた社会保険料に応じて受けられる医療限度額を決めるとか、受けられる医療内容に制限を設ける。
生活保護も医療費の1割2割を支払う。薬はジェネリック以外は禁止など。そうでもしていかないと、日本国民全員が貧困層に引っ張られて一億総貧乏・医療難民になる未来しか見えません。
4、処遇改善加算での昇給は本当にやめて欲しい。加算を取るための要件が年々難しくなり、社労士などに相談しないと要件を満たすのが難しいです。全国規模の大企業なら問題ないでしょうが、介護事業者は中小企業がほとんどです。処遇改善加算でベースアップをするなら外部専門家への相談費用も補助して欲しい。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/f6e3a2d6056cb72f382c088ce1c84fe98dc3b84c,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]