事件概要:2025年8月1日、熊本地裁は、偽造通貨の輸入および同行使罪で起訴された38歳のベトナム人元技能実習生に対し無罪判決を下した。彼は、ベトナムから偽造された旧1万円札を日本の金融機関に入金したとして起訴されていたが、熊本地検は判決に対して控訴しない決定をし、判決は確定した。控訴期限は7月31日だった。地検の加藤和宏次席検事は、判決内容を精査した結果、控訴しないことを決めたとコメントしている。
コメント:この判決は、法の適用における重大な疑問を投げかけている。偽造通貨の取引においては、犯罪者の意図や背景、被害の程度に関わらず厳格な対応が求められるべきだ。しかし、このケースでは、実習生が通貨の偽造や取引に関して十分な認識がなかった可能性が示唆されており、その点が無罪判決を導いたとされる。だが、これが示すのは、犯罪の背後にある社会的・経済的要因への無視だ。
まず、制度的には、外国人労働者への支援体制が脆弱であることが挙げられる。多くの技能実習生は、異国での生活や労働環境の過酷さにより、無理な状況に追い込まれることがある。そこで、犯罪に巻き込まれるリスクも高まる。次に、金融機関や関係機関の監視体制の不十分さが浮き彫りとなる。偽造通貨が市場に流通することを防ぐためには、金融機関の対応力が重要だ。
解決策としては、まず外国人労働者に対する教育や支援を強化することが急務だ。彼らに法的義務や責任をしっかりと伝え、犯罪に巻き込まれないようにすべきである。次に、金融機関の監視強化と、偽造通貨の流通を抑制するための技術的措置の導入が必要だ。最後に、刑事司法の運用においては、被告の意図や背景をしっかりと把握し、より人道的な対応を求めるべきだ。
この事件は、制度の不備を浮き彫りにし、今後の改善を強く求める声が高まるだろう。
ネットからのコメント
1、「知らなかった」だけで無罪が勝ち取れる実例をつくってしまった。元技能実習生なら日本円を知っていると思うのですが。偽造でないなら普通に買い物とかで使えばいいのに、わざわざ両替を頼む時点で確信犯です。紙幣の偽造は重罪なのに犯罪者の発言を鵜呑みにして無罪判決はかなり無責任な判決だと思います。世界中の犯罪者はこの判例を基に日本円の偽造を行い、ばれても「知らなかった」で通すでしょう。今後、金や麻薬の密輸も「知らなかった」、「友人に頼まれた」などの理由で無罪となれば、日本では密輸がノーリスクハイリターンとなり世界中の犯罪者が日本への密輸行うことになるでしょう。
2、また熊本地検か熊本地検の不起訴案件だけで特集が出来るのではと感じているのだが何故偽札という大罪が知らなかったという理由で無罪になるのか知らなかったと言えば免れると世間に公表されたわけだが、今後偽札事件が多発したら責任問題だぞ!
3、有罪無罪の運命を分ける基準は「犯意があったかどうか」なので、これからは犯意はなかったが逃げ口上の定番になるだろう。性善説に基づく法体系の抜本的な見直しが必要たな。
4、なんかあやしいな。この事件、単に1枚偽造紙幣だとは知らずに使ってしまったというのではなく、確か数百枚輸入して使用したという話しだったと思うが、それって普通に考えれば偽札だと知らなかったなんて言い訳が通るはずがないと思う。なのになぜか検察は控訴を断念してしまった。これ何かありそうだね。ひょっとして、捜査(捜索)・取調段階で違法なことをやっちまって、地裁で証拠能力を認められなかったとか・・・
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/6bb5c7cfb0b40ae9a8d8781b9371a19ddc50e224,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]