栃木県の山本祐介さん(仮名、38)は、次男が9歳になった2022年に感情がエスカレートし、次男に対する虐待行為を行い、児童相談所に一時保護された経歴を持つ。背景には、別居中の妻の実家から子供を引き渡され、転職後の多忙と子育てのストレスがあり、誰にも悩みを相談できない環境があった。ストレスの中で暴力が当たり前となり、次男は尿失禁を繰り返すようになった。
市役所へ「助けてほしい」とメールした翌日、児童相談所職員が訪れ、一時保護が決定された。

事件を通じて見えるのは、個人だけに負担をかける子育て環境の欠陥です。このような状況が生まれる背景には、親が孤立し支援が届いていない実態があります。まず、育児相談の窓口を広げ、親が気軽に話せる場を作ることが必要です。次に、育児支援だけでなく、親自身の心理的ケアも提供し、ストレスを軽減させる仕組みを構築すること。そして、家庭裁判所が回復プログラムの講習を命令できるような法制度の整備も急務です。個人の負担を社会全体で支え合う体制を作ることこそ、子どもたちの健やかな成長と安心な家庭環境を実現する鍵です。この事件は、親への支援の欠如がもたらす深刻な結果を示しています。これらの問題の本質に社会が向き合わなければ、同じ悲劇を繰り返すことになるでしょう。

ネットからのコメント
1、学校でいじめが起こると、日本では被害者の児童・生徒が保健室などの別室登校となることが多いですが、海外では加害者が別室登校になるのと似た部分もあるのかと思います。別室登校となるのは、単にいじめの要因を教室から排除するという目的もあるでしょうが、それだけでなく加害者の原因を解決するためにカウンセリングを行うようです。この虐待をしてしまった親に対する支援というのも、海外のいじめが起こった際の対応と似ている部分があると思います。根本的な要因に対処することで、子どもも親も、全員が幸せとなる家庭が作ることができればと思います。
2、言うことを聞かない=悪ではなく、成長している証なんです。子どもは言うことを聞かないのが当たり前、と思えれば楽ですが、心に余裕がないとどうしても、理想を押し付けて追い詰めてしまいがち。
お父さんが自ら助けてと声を上げたのは、勇気がいることだったと思います。親が変わる機会を支えるNPOや一時保護の仕組みは罰ではなく、立て直しの時間として理解されてほしい。孤立させない視点が大切で、親も支援が必要な人間だという理解がもっと広まってほしいです。
3、これはいじめをする人間にも言えること。いじめを受けた側のケアに回りがちだけど、いじめた側の心理を深掘って解決していかないと根本が解決できない。いじめをした人間にも回復プログラムをやらせてほしい。
4、すばらしい取組みですね。子どもを助け救う、という視点はあっても、「親のケア」という視点は、なかなかないものです。しかし、苦しむ子どもの背景には、苦しむ親、親自身の困窮や心の病、過度なストレスで追い込まれているなどの事情があるものです。虐待親は、決してサディストのような人間ばかりではなく、むしろ人間的に弱さや痛み、ケアの必要をかかえている場合も多いのかな、とも思います。声をあげられる事が大事ですね。虐待をしてしまう親が、責められるのでなく、「助けて」と言えることが大事。
どうせわかってくれない、責められるだけ、となれば、ますます自分の弱さや家庭の問題を表に出せなくなり、大きな悲劇につながりかねない。親も弱さを抱えた人間、という認識にたって、子どもだけでなく、問題を抱えた親のケアという視点が当然になっていってほしいと思う。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/b82434eec3423d64df7bac02091ba9ecc320b69a,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]