中国の不動産市場の不況について、キヤノングローバル研究所上席研究員の峯村健司氏が解説しました。この不況は、主に習近平政権が不動産の価格高騰や格差を抑制しようとした政策に起因しており、中国の不動産市場全体に深刻な影響を与えています。不動産業界最大手の「万科企業」が440億円の返済に滞るなど、経済不安が顕在化してきました。また、首都北京をはじめとする主要都市での高層マンション建設プロジェクトが中断されている状況も報告されています。

このような不安定な状況は全国的に影響を及ぼし、中国のGDPの約40％を占める不動産分野が揺らぐことで、国全体の景気減速の一因となっています。この4年間で、日本円で1800兆円もの不動産関連資産が失われたとされています。

今回の事件は、制度や政策の欠陥が招いた結果であり、批判的な分析が必要です。まず、習近平政権の不動産価格抑制政策が引き起こした市場の混乱は、短期的な解決策が欠如していたことを示唆しています。問題の本質は、不動産市場の急速な成長を規制するための政策が、不十分な調査と過剰な規制によって経済全体に悪影響を及ぼしたことにあります。この状況を改善するためには、以下のような具体的な対策が必要です。まず、透明性のある政策決定プロセスを導入し、市場関係者や専門家との対話を強化すること。

次に、中小企業や個人投資家を支援するための金融支援策を整備し、健全な市場秩序を回復させること。最後に、不動産市場自体の多様化を図り、依存を減らし持続可能な経済成長を促進することです。迅速で効果的な対応がなければ、中国全体の経済成長がさらに危ぶまれ、不動産以外の産業にも連鎖的な影響を及ぼす可能性があります。

ネットからのコメント

1、もともと、日本のバブル崩壊も金融引き締めから始まった。中国のバブル崩壊も、不動産高騰の引き締めから起こったことは理解出来る。人間とは同じ失敗をするものだ。しかし、良い話題で中国経済がドン底に堕ち、軍を維持出来ないくらいに、早くなってほしい。

2、日本にとっても、投資促進による経済発展と国民生活安定のバランスをとることは、2026年の課題といえるのではないか。なぜなら、日本においても、海外資本による数十兆円規模の不動産投資残高（ストック）や年間数兆円の不動産取引は、GDPの成長や内需の活性化に一定の寄与をしているからだ。他方で、このまま中国系資本に日本の不動産を買われ続けるのは、経済安全保障上の問題があるのは火を見るより明らかだ。

結局のところ、海外資本の不動産取得を緩やかに規制していくのが、現実的な対応だと思う。

3、これでも中国に忖度した甘い見通し中国の不動産バブル問題は中国共産党の利権と密接に関連するものであるから、事実上解決は不可能どんどん負債は膨れ上がり、来年からは銀行、保険会社の破綻が相次ぎ、地方政府の財政破綻が表面化するでしょう第二の天安門事件やソ連崩壊の様に突然中国共産党が崩壊する可能性すら出てきた

4、中国では上海などの大都市で建てかけのまま放置されたマンションが幾多もあるとの報道がありました。経済政策の失敗は明らかですが、それで独裁体制を堅持したい習近平氏は、敵を設定して国民と共に立ち向かうという手法で誤魔化そうとしており、その敵が高市首相という指摘もあります。挑発を繰り返し、何とか日本側からの反発反論を引き出し、それを更なる攻撃材料としたい中国としては、このあたりの駆け引きでも大きく失敗しているように思えます。