このニュース記事は、戦後80年を迎える2025年に、旧日本軍の「最低の軍人」を歴史学者や軍事評論家など16人が評価したランキングを紹介しています。特にワースト1位となったのは、インパール作戦を強行した牟田口廉也陸軍中将です。彼は兵站の難しさを知りながら作戦を推し進め、約10万人の兵力のうち3万～7万人が補給不足による飢餓や病気で死亡しました。

彼の行動は、功名心からの無謀な作戦と評価されています。ワースト2位には、日米開戦時の首相であった東条英機陸軍大将が選ばれました。東条大将は、精神論により軍人たちに無謀な戦線拡大を強いたとされ、最悪の指導者の一人として名前が挙げられました。

このランキングは、日本の過去の戦争における軍人たちの行動が、多大な犠牲を強いたという視点から批評されており、戦争の歴史を振り返る重要性が強調されています。

冷酷で非現実的な作戦を指導し、数多くの生命を無益に奪った過去の軍人たちの評価を通して、戦争の残酷さとそれに携わった指導者たちの誤りを再確認する必要があります。システムや指導者の適切な責任追及が行われなかったこれらの事例は、現代においても責任の欠如がもたらす危険性を示しています。以下の改善策を考えることが求められます。

第一に、戦略上の意思決定における慎重な計画と豊富な情報分析を行うシステムの構築です。第二に、意思決定の透明性を確保し、独立した組織による外部監査を導入することです。第三は、教育を通じて歴史の教訓を次世代に引き継ぎ、過去の誤りを繰り返さないための文化を築くことです。こうした取り組みを通じて、責任と透明性を重視した社会を築くことができれば、歴史がどれほど厳しい教訓を持っていたかが再確認され、未来に向けた確実な一歩を踏み出すことができるでしょう。

ネットからのコメント

1、こういう評価は、個々の戦闘に参加した指揮官として評価するのなら、比較的しやすいかもしれないが、様々な人が絡む長期的な内容に関しては、個人として評価するのは難しそう。あと、評価する基準が、あの戦争の何に関してかに応じて、評価も変わってくるのでは。戦略、戦術、開戦、敗戦、被害等々で。順位よりも、評価した理由を確認する方がいい。

2、①戦時の日本陸軍を振り返るとき、もっとも深刻だったのは「能力の有無」よりも、「責任を引き受けようとしない指導層」の存在だったのではないか。

大本営陸軍部は名目上、戦争全体を統括する“司令塔”でありながら、実際には「方向を変えず、現場にだけ無理を強いる中枢」として機能したことが、ガダルカナルやインパールといった惨敗に色濃く刻まれている。ガダルカナルでは、勝算なきまま兵力を小出しに投入し、撤退の決断は損害が膨れ上がってからになった。 インパールでも、兵站上の不可能性が指摘されていたにもかかわらず、計画を止める明確な号令は出ず、「慎重にやれ、だが中止とは言わない」という玉虫色の指示のまま作戦は突き進んだ。 指揮官たちは権限こそ握りながら、「ここでやめる」と自らの名で決断することを避けたのである。

3、インパールの文字を見るたびに亡くなった祖父を思い出します。遠い国で亡くなられた方の数を見るたびに、帰ってきてくれて平和な日本の礎を気づいてくれた先人に感謝します。そしていつの時代もどの場所でも、偉いさんが有能だとは限りません。これからの日本を背負う方々には、自分の眼で見て、耳で聴いて正しいことを選択して欲しいですね。

4、牟田口の影に隠れているが、彼と共に作戦を推進したビルマ方面軍司令官の河辺正三、その上司である南方軍総司令官の寺内寿一、最終的に作戦を認可した大本営作戦課長の服部卓四郎の責任も大きい。

ずさんな作戦決行は、彼らの共同作業だと思う。