1979年放送のアニメ『機動戦士ガンダム』主題歌「翔べ！ガンダム」の歌詞が物語内容と一致しないとの指摘がネットで話題に。作詞名義「井荻麟」は監督・富野由悠季氏専用ではなく、サンライズ企画室が作った共同ペンネームで、他作詞者も使用。放送当時、サンライズ作品の約8割は完全オリジナルで、主題歌は物語完成前にスポンサーや玩具会社の意向を踏まえて制作されることが多く、歌詞は作品の雰囲気重視となった。

背景には1980～90年代の音楽制作会社とアニメ制作側の関係変化もある。

アニメ主題歌が作品内容と必ずしも一致しないのは、制作者の怠慢ではなく、制作スケジュールとスポンサー事情の産物だ。作品完成前に歌を作らねばならず、「子供が格好いいと思う曲」「スポンサーが納得する曲」が優先される。これは文化創作の自由を削り、物語と音楽の有機的結合を阻害してきた背景でもある。今後は、①制作初期から作曲家・作詞家を物語制作会議に参加させる、②完成映像に合わせた後録りや差し替えを可能にする契約形態、③スポンサーにも作品世界との整合性を重視する意識改革を促すべきだ。商業論理と創作理念が乖離したままでは、名曲は生まれても名シーンとの化学反応は薄れる。文化の厚みは「売れるか」だけでなく、「物語とどれだけ心を共にするか」で決まる。

ネットからのコメント

1、現在では当たり前になっている大物アーティストとのタイアップ曲だって本編内容を反映しているとは思えない、売らんが為のものがいくらでもあると思う。「翔べ！ガンダム」の「翔」は今では普通に人名にも使われるが「翔」が一般に知られる様になったのは「ガンダム」放映開始前年のヒット曲、円広志「夢想花」で「翔んで」を連呼したことからじゃないかと思う。流行りの言葉を歌詞に取り込んだのかな？って個人的に思っている。作品の主題を見事に歌い上げている、正に主題歌と言えるのが「ガンダム」の前番組「無敵鋼人ダイターン3 」だと思う。OP映像とのシンクロも実に決まっていて隙がない。歌唱者の藤原誠さん、もっとテレビ漫画主題歌を歌って欲しかったが、これが最高の作品かと思う。その後で「翔べ！ガンダム」はちょっと腰砕け感があるのは否めないが、歌唱者の池田鴻さんは朗々たる歌声が素晴らしい方だった。早逝が惜しまれる。

2、80年代のガンダムの主題歌に異を唱えるならば、90年代のアニメ主題歌なんてタイアップばかりで歌詞に主人公名を云うわけでもない、絵が浮かぶ歌詞でもない、世界観も見えないと主題歌としては最悪なものばかりでしたよ鬼滅の刃で何十年間かぶりにアニメを観たが主題歌が主人公や世界観をイメージ出来てよかったよ

3、ガンダムに限らず、当時のロボットアニメなどのOP主題歌は「勇ましい」「カッコいい」主人公のロボットが大活躍するシーンを連想するような歌詞が多かった時代です。それは、物語本編が番組スポンサーの玩具などを売るための「コマーシャル」だったからですね。ガンダムの物語冒頭にコア・ファイターとの合体シーンを入れたり、視聴率低下へのテコ入れの為に「Gアーマー」を登場させたりというのは有名な話です

4、現在はそうでも無いけど少し前までは逆にタイアップで一般曲だったり有名どころが主題歌を歌ったりがコミック原作アニメなどでは普通だった。当然歌詞や曲調はアニメ本編に沿ったものはほぼ無くて、違和感しか無かった。今はアニメが普遍になり、曲の制作もアニメ主題歌として行われるのが普通になってきたが、こう言うのも「大人の事情」だろう。