日本銀行は2025年12月19日に政策金利を0.25%引き上げ、0.75%としました。この水準は約30年ぶりの高さとなり、物価対策や円安抑制が目的とされています。しかし、利上げ直後の市場では円安が進行し、為替は1ドル156円台を記録。その後も円安が続き、157円台まで到達しました。市場では日銀の金融政策に対する疑心暗鬼や本気度の欠如を指摘する声があり、植田総裁の会見内容が特に批判を受けています。
名目実効為替レートにおいても日本円は主要国通貨と比較して著しい弱さを示しており、金融政策の後手感や本格的な対策の欠如が円安進行の原因とされています。この状況下、次の利上げタイミングは2026年秋以降と予測されています。

日本銀行の利上げが円安解消に結びつかない現状は、日本の金融政策の欠陥を浮き彫りにしています。まず、0.75%という金利水準は過去30年の低金利政策から大きな進展に見えるものの、物価上昇への対応として非常に消極的です。会見内容から伺える不明確さと踏み込み不足は市場の信頼を損なう要因となり、「日銀の本気度が欠けている」と批判されるのも無理はありません。
問題の背景として、日本は長期間にわたる金融緩和政策を続け、実質金利を依然としてマイナス圏に留めています。この状態は円安進行や資本流出を助長し、物価上昇の圧力を高める悪循環を生んでいます。
また、政府と日銀間の調整不足や市場に見透かされた施策の後手感が、不安定な為替状況を招いています。
解決策として、以下を提案します。
明確な長期ビジョンを提示することで市場の信頼を取り戻す。例えば、具体的な目標金利水準や利上げスケジュールを公表する。金融緩和政策の段階的縮小を行い、実質金利の正常化を目指し市場に安定感を与える。政府との連携を強化し、財政政策と金融政策の一体運用を進めることで、物価と為替の両面対策を実行する。日本の金融政策は人々の経済生活に大きく影響を与えるものです。現状を放置し続ければ、国内外からの信認を損なうことになるでしょう。本気度を示し、市場に強い一歩を踏み出す時です。これこそ、本来の日銀の役割と言えます。
ネットからのコメント
1、富裕層の方以外、多くの一般の方は、デフレより、今のインフレの方が生活は苦しいのではないでしょうか。投機筋の方々は、この超低金利0金利を利用し、莫大な資金を調達して、不動産や株式に投入していきます。特に何かの生産性が上がる事や製品が増えたわけではないので、単純に物の値段は上がっていきます。
そしてこれだけ日本円を刷れば、円の価値を同時に下がっていくので円安になり、何でも輸入に依存している日本はさらに物価は上がっていく。アベノミクス、ゼロ金利政策はここが限界点と言うことですよ
2、利上げをしても円安が進んだのは、高市氏の「責任ある積極財政」がマーケットでは無責任な放漫財政だと見られていると見るべきだと思います。高市政権になって、円が売られて、その上、国債の利回りも歴史的な高さを記録している所からも、日銀の対応の遅れだけでは無いのは明らかだと思います。そして、その要因は高市補正が3分の2を赤字国債で賄った放漫財政にあります。高市補正が「責任ある」積極財政なんかでは無いと言うマーケットの示した状況をメディアは正確に伝えるべきだと思います。
3、政府と日銀に問題があります。政府と日銀の政策運営は、物価安定と金融正常化の整合性を欠いています。政策金利は0.75%まで引き上げられましたが、消費者物価上昇率を下回っており、実質金利は依然としてマイナスです。この状況は金融環境がなお緩和的であることを意味し、円安圧力と輸入インフレを温存しています。
春闘の賃上げ動向を確認してから判断する姿勢は、データ後追い型のプロシクリカルな対応となり、インフレ期待のアンカー機能を弱めかねません。さらに、拡張的財政と低金利の併存はフィスカル・ドミナンスへの懸念を高め、国債のリスクプレミアムやタームプレミアムの拡大を招きます。米欧では中立金利水準への回帰を通じ、期待形成を重視した政策運営が行われています。日本もフォワードガイダンスを明確化し、テイラールールと整合的な利上げを進め、先進国並みの金利水準への早期正常化を図るべきです。
4、記事は、利上げに熱心ではないという姿勢が円安の原因としています。もちろん、日銀の姿勢もありますが、それよりも、現在の絶対的な金利差に原因があり、現行の金利水準を諸外国に合わせて上げていかないと、円高にはならないでしょう。利上げをしたといっても0.75%であり、事実上のゼロ金利です。一方、欧米は利下げをしたといっても3~4%の水準にあり、安心してキャリートレードを継続できるのでしょう。円安に歯止めをかけ、インフレを抑制するには、矢継ぎ早に3%程度まで利上げを行う必要があります。
しかし、この記事でインタビューされている金融村の方々は、現在のゼロ金利が居心地が良いのか、利上げは遅いという「希望的観測」を述べています。金融村の方々はそれで良いのでしょうが、一般庶民は怒っているので、いずれ高市総理の支持率に関わってくるでしょう。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/534cea537b3d8fd4ebd0d2eedfa808bd642f1289,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]