イギリスの名門自動車メーカーであるジャガーは、現在経営危機に直面しています。2025年4月における欧州での月間販売台数はわずか49台で、前年同期比97.5％の減少を記録しました。この背景には、ガソリン車を廃止し、電気自動車（EV）に全リソースを投入する極端な経営戦略があります。さらに、8月には大規模なサイバー攻撃を受け、生産が停止。

政府は、部品供給会社700社を救済するために公金を投入する事態となっています。過去の栄光を持つジャガーですが、この状況には多くの課題が組み合わさっていると見られます。

ジャガーの経営戦略は、現状を無謀に政策転換した典型的な失敗例として引き合いに出されます。まず、ガソリン車の廃止とEVへの集中という極端な方針転換が、企業を窮地に追い込みました。しかし、車種ラインナップの急減は単にジャガーの内部問題に留まらず、同時に失策を示す警告です。1つ目は、市場での信頼回復のためにガソリン車とEVを柔軟に併用する選択。2つ目は、顧客の意向を踏まえたブランドの再定義。そして3つ目は、競争相手の戦略を模倣しない独自の価値提供の再構築です。皮肉にも、ジャガーがかつて愛された理由が今、企業の革新性を問われているのです。

市場の変化に柔軟に対応することが未来の成功を占う鍵となるでしょう。

ネットからのコメント

1、欧州はディーゼルでイニシアティブを取るつもりが ダメで じゃ今度はEVだって 舵を切ったら まだ世界はEVじゃなかったってだけ。ベンツもポルシェもEVは出したけど 全切り替えはしてないし むしろ ガソリン車の生産を進めてますからね。将来的にはEVへシフトして行くんだろうけど まだ先の話し。ジャガーは急ぎ過ぎましたね。やっぱりトヨタは市場の読み方がしっかりしてる EVもやってるが メインはハイブリッド まだハイブリッドが主流だと思います。

2、ジャガー、勿体ないなあ…でも経営が順調だったのはいつかな？フォードに買収される直前くらいですかね。思えば98年にダイムラー・ベンツがクライスラーを買収して「４００万台クラブ」をやりだしてからおかしな事になってます。で、２１世紀に入りディーゼルで覇権を握ろうとした矢先にフォルクスワーゲンがディーゼルゲート事件を起こしてしまい次はEVの時代だ・なんて言ってますがね。

EVも棲み分けして使い途を間違えなければいいんですよ。軽EVは乗り心地いいし。何でもかんでもEVはマズイ。サーブの二の舞いですね。

3、急に売れなくなったのではなく、作らなくなったんだけどね。それはともあれ、生産を止めて一気に切り替えることが凶と出るか吉と出るか。かなり無謀な感は否めない。内燃機関のXJ、XF、XEの３種のセダンはとても優れておりデザインも素晴らしいが、市場のニーズが極端にSUVに偏ってきたのは痛いところだろう。2000年頃はセダンはXJと別ブランドのディムラーしかない高級車専業メーカーだった。EVではいち早く量産型を出していた。ブランド力は強いので出せばそこそこ受け入れられるとは思うが、どこまで成功するかはわからない。

4、Type00が最初に発表されたときのボディカラーがピンクメタリックだったことが全てだと思う。中国の富裕層にとってこの色は定番中の定番で、設定のない車は歯牙にもかけられないからだ。かつてジャガーは中国に進出したときこの色を設定せず、モデルチェンジもなかなかしなかったので、まったく商売にならなかった。

その反省が生かされているということ。ヨーロッパではなく中国で稼ぐための車なのだ。