佐賀県の山口祥義知事は、九州新幹線長崎ルートに関連する在来線の減便問題について疑問を呈しました。具体的には、博多－肥前鹿島間を走る特急「かささぎ」が来春のダイヤ改正で1日上下14本から10本に減便されることに対し、新幹線の開発を優先するあまり在来線に負担を強いる前提に疑問を抱いていると述べました。この発言は、11月16日に議会閉会後の報道陣への回答で行われ、JR九州の決定により「こんなはずじゃなかった」という状況が生じる可能性を示唆しました。

長崎ルートの開業によって在来線が減便され、地域の利便性が低下することで生じる問題は、交通政策における優先順位の欠陥を浮き彫りにしました。まず、新幹線整備が地域全体の交通効率を向上させない限り、その投資は不合理です。また、公共交通の計画には地域住民の声を反映させ、透明性を確保する必要があります。最後に、在来線と新幹線のバランスを取るための振興策が必要です。交通インフラは利便性を提供するべきであり、利益追求に偏るべきではないのです。今回の事例は、公共交通政策が地域社会の実際のニーズを無視することで生じる、制度の欠陥を批判すべき典型です。

ネットからのコメント

1、鉄道ファンです。整備新幹線の着工の条件として、並行在来線をどうするかが予め決められます。例えば、北陸新幹線の場合は北陸線がＪＲから経営分離されて県ごとに第三セクター会社に移管されました。

最初の約束（政府・与党申し合わせ）なのです。要するに在来線がその地方の鉄道になったのです。出資者は地元企業を含めた県民です。西九州新幹線の場合、長崎本線の一部が並行在来線の扱いになり、新幹線が通らない鹿島市のために特急「かささぎ」を運転することで決着しました。しかし、利用が低迷すれば減便は致し方ありません。こういう形でも、整備新幹線は地方の負担になるのです。佐賀県の山口知事さんは分かっておられます

2、ここに新幹線が本当に必要だったのか、もうちょっと検証すべきだったと思う。私は長崎市に住んでいるが、昔の特急かもめの方がよっぽど便利だった。新幹線は乗り継ぎあるから寝れないし、運賃が高すぎて、今はもう毎回九州号(高速バス)で博多に行ってる。急ぎじゃない限り、早く長崎を出ればいいだけの話。今回の江北-肥前鹿島間については、地元自治体としても乗車促進に取り組んだかと言われればグレーだが、勝手に話が進められてる感はあるよね。夢物語だけで物事を進めてはならないというのはこういうことなんだろうね。

3、国鉄民営化の結果、公共交通機関という使命よりも利潤追求が優先され、地方の路線の使い勝手がどんどん悪くなっている。

ドル箱の新幹線の恩恵を被るのは新幹線の駅ができた都市だけで、特急停車駅だった所でも新幹線の駅ができないと逆に不便になり寂れていく。地方創生の点から考えても逆行している。西九州新幹線はまさにその代表である。

4、新幹線が開通したら、今迄の在来線は地元自治体へ移管されます、北陸新幹線後は、地元3県が運営なのでバラバラで乗り換え、時間も連携していません。料金も高くなつていました。