日本の心臓血管外科医療が深刻な医師不足の危機に直面しています。12月16日、日本循環器学会が発表した声明では、このままでは循環器医療の存続が危ぶまれる事態が指摘されています。心臓血管外科は高い専門性と過酷な労働条件が求められる一方で、待遇面は十分ではなく、若手医師が定着しにくい状況にあります。実際、2024年の専門医試験の合格者の平均年齢は37歳と高齢化が進んでいます。

また、心臓血管外科医療を担う施設が全国に多く点在するため、医師一人ひとりの負担が増加しています。学会は施設集約化を提案していますが、地方の実情を考慮した慎重な対応が求められています。また、教育環境のばらつきや訴訟リスク、社会的評価の不足も若手の参入を妨げています。

この危機に対し、まず是非とも変えるべきは、心臓血管外科医の待遇と労働環境だ。高い専門性に見合わない給与や働き方は、若手の離職動機を高める一因である。ここでは、制度的な問題が浮かび上がる。まず、報酬制度を見直し、専門性や責任を適切に評価する仕組みを導入する。次に、施設集約化を進め、労働負荷を軽減し、症例数をさらに均等に分配することが急務だ。加えて、医療従事者の教育環境を充実させ、キャリアパスの明確化を図ることで若手医師の育成に繋げるべきだ。

これらの具体的な対策を通じて、命を救える医療が継続できるように改革を進めていくことが求められる。循環器医療を守るためには、社会全体での理解と一丸となった取り組みが最も重要だ。改革の波を起こし、未来の医療を支えることが我々の責務であろう。

ネットからのコメント

1、良い悪いは別として、日本の医療は社会主義なので、どれだけやっても報酬は決まっています。したがって、コスパやタイパを重視する傾向が強くなっている現在では時間と労力と報酬が見合わない心臓外科は見向きもされないのは当たり前です。崇高な理念を持っている人は専攻するでしょうが、ごく少数であり、これは外科医が減少していることも理解できます。また、直美といわれる人が増えているのも理解できます。若い人が悪い、根性がない、金満手技だの言う向きもありますが、医療の構造改革なしにはこの状況は打開できないと思います。手術待機者が緊急扱いになる、それでも対応できず亡くなってしまうことが頻発し社会問題にならなければ制度改革には動かないと思う。

2、医師の給与が高すぎるなんて言っているからこうなるんだよ。

アメリカの医師の平均が３５万ドル約５２００万円。心臓外科医が８５万ドル（１億3000万円）で日本の医師の平均が１３００万円。それが高いと。ほかの職種に比べて高いと非難されている。開業医の給与がその倍近いといって非難されている。地域医療に自己資産と借入金で開業して、職員が有給休暇で休んでも休みも取らず毎日朝から晩まで働いて、学会の新しい情報を勉強してアップデートしている日々を送っている。好きでなった職業だから仕方ないが、日米差を知り、そのうえで日本の医者がもうけすぎだと言われるとやる気がなくなるだろうな。

3、海外の心臓外科医は手術だけして（術後管理はICU）5000万とか1億とかもらっている。その代わり競争に勝ち残る必要があるけど。日本は術後管理も外科医が行うことが多いし、大学教授でもよくて1500万だからねぇ。残業もない直美の初任給が2000万の現状では、心臓外科を選ぶ方がおかしいというのが今の若者の本音だと思いますよ。

4、日本では現在診療科による給与の差はほぼ無いケースがほとんどです。大学病院や公的病院など主要病院が社会主義的悪平等の給与体系のままで、民間病院では若干差がつくという程度です。

　これまでは、あえて厳しい科に進むマインドが若手にあったため何とかなってきましたが、もう無理でしょうね。市場原理に沿った給与格差はアメリカのデータを参考にすればつくれますし、日本もそうすべきです。そして、保険点数ももっと格差をつけるべきです。