アメリカの連邦最高裁は10月20日、トランプ政権下で導入された「相互関税」を違法と判定しました。同政策は通商法122条に基づいており、諸外国に対する10%以上の追加関税を大統領権限で課していました。裁判所の判断を受け、関税率は引き下げられる可能性がある一方、トランプ元大統領は関税の即時返還について拒否の姿勢を示しています。また、この判決後も大統領権限で新たな関税が設けられる可能性があり、日本企業を含む海外企業にとって予見可能性が著しく低下する結果となっています。特に、すでに徴収された関税の還付は今回の判決で言及されておらず、企業への影響は今後も不透明な状況が続く見通しです。

今回の裁定は、一見すると日本を含む諸外国の企業にとって有利に働くように思えますが、その内実は不安を増幅させるものとなっています。第一に、トランプ政権が新たな関税手段を模索している現状は、貿易の安定性に対する脅威です。
予測不能な関税政策は、企業の収益計画や雇用維持に直結する重大な問題であり、この不安定さを放置することは国際市場全体の健全性にとって不利益です。第二に、徴収済み関税の還付問題が解決されていない点も、企業に不必要な負担を強いる結果となっています。さらに、通商法122条という法枠そのものが広義の政治的道具化を生む背景となっており、国際ルールを軽視していると言わざるを得ません。
これらを解消するためには、まずアメリカ政府が透明性を伴う政策運営を行い、企業が事業計画を立てやすい環境を整えることが不可欠です。次に、徴収済み関税の還付手続きについて明確なスケジュールを提示し、損失を被った企業への公正な補償を実現すべきです。さらには、通商法122条の濫用を防ぐための法改正や国際的な枠組み作りが求められます。
持続可能な国際貿易のためには、短絡的な手段ではなく長期的な視野を持つべきです。認識の転換がなければ、信頼と安定性を欠いた貿易政策の矛盾が際限なく繰り返されるでしょう。我々はそのリスクを軽視してはなりません。
ネットからのコメント
1、今回6対3でIEEPAに基づく関税を違憲とする判決が下されましたが、保守派判事6名のうち3名が違憲判断を支持しました。保守派判事のうちゴーサッチ判事、バレット判事、ロバーツ最高裁判所長官は違憲を支持し、その中でゴーサッチ判事とバレット判事はトランプ氏自身が任命しています。特にゴーサッチ判事は共同の意見書とは別に46ページにも及ぶ個別の意見書を出し、違憲判決を不支持とした判事たちの不公平さと政治的偏りを厳しく批判しました。以前連邦最高裁が中絶の権利を認めるロー対ウェイド判決を覆した時のように、最高裁判事は自身を任命した大統領に有利な判断を下す傾向にありますが、それでもこういった結果になったことは特筆に値します。これから別の法律を根拠とした関税を実現させるべく行動するのでしょうが、トランプ氏と政権内の側近達が明白に法に抵触する政策を実施したことは記憶に留めておく必要があります。
2、最高裁で違法と判断された以上、米政府はそれに従うべきだと思います。ただ別の法律で追加関税をかける動きがあるとなると、先行きはますます不透明ですね。
先が読めないのは企業にとってかなり痛いと思います。日本政府には丁寧な情報発信と支援策を示してほしいですし、日本の立場も粘り強く主張してほしい。正直、トランプさんに振り回されるのはもう最後にしてほしいです。
3、関税そのものは日本企業が払う訳では無いから、関税をアメリカ国民が払うことでアメリカの購買力が下がっていくことが問題。さっそくGDPは予想を下回り、関税の影響が出てきている。総額20兆円の関税がすぐに戻ってくるとは思えないが、日本企業の懸念はアメリカの需要が先細りすることであり、中国同様アメリカに依存している企業はリスク分散が必要になる。
4、最高裁判所で違法判決が決定した。日本は直ちに関税の返還と80兆円の投資を取りやめるべきだ。違法行為の要求に応じることは日本政府が違法行為に加担することになる。白紙に戻すべきだ。続けることは国民に対する背信行為だけでなく違法行為に手を貸す違法行為だ。高市首相3月に訪米してトランプ大統領に関税の返還と80兆円の投資の中止を申し入れるべきだ。手を繋いで大喜びで飛び上がらないことだ。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/33dd3f5c41e28d6e9399914df24a811e548a7e74,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]