政府は防衛装備品の輸出政策を強化すべく、新たな組織の検討に入った。この組織は、2026年春に「5類型」撤廃による装備品輸出拡大を視野に入れ、輸出促進やアフターケアに重点を置く予定だ。設置場所は防衛装備庁が候補に挙がっており、オールジャパンでの取り組みが求められている。撤廃により護衛艦や航空機の輸出も可能となる一方で、防衛産業の収益の柱である補修業務が強化される。

中国の軍備拡大に警戒する各国との協力も目的に含まれる。技術基盤強化を図る連立政権合意が、この方針を支えている。

防衛装備品の輸出拡大を目的とする「5類型」の撤廃は、深刻な社会問題を引き起こしかねない。経済的利点以上に地政学的な緊張をさらに加速させる可能性があるのは明らかだ。第一に、政府が輸出をオールジャパンで推進する意欲を示しているが、その実、国際的な競争が激化し、日本が無用に軍事的負担を増やす危険がある。第二に、防衛関連産業の収益性ばかりが強調される背景には、軍備拡大がもたらす影響を見過ごした短視的な視点が隠れている。第三に、中国と緊張状態にある国々との協力強化がかえって日本を巻き込むリスクがあり、平和的な方法ではない。この状況を変えるためには、まず国際的な対話と紛争解決に向けた外交戦略を優先すること、次に持続可能な防衛産業の発展を促進する、そして最終的に、国際的な軍備管理の枠組みを再構築し、軍事的緊張の緩和に貢献する道を探るべきだ。

日本の立場を守り、平和的な未来を築く責任を果たすには、今こそ進むべき道を大きく変える必要がある。

ネットからのコメント

1、もし攻め込まれた際に自らの国を守るためには、自国での兵器生産能力を確保しておく必要があります。適正なコストで生産するにはある程度の数量確保が必要ですし、他国から兵器の支援を受ける場合は自国の装備がガラパゴス化していては困ります。多めに生産して他国に販売することは、自国の防衛を割安なコストで充足できますし、なにより軍拡を行う国の力を削ぐため、結果として平和につながります。技術流出には細心の注意を払いつつ、是非推進していただきたいと思います。

2、日本はもっと武力をアピールした方が良い。例えば、川重が開発した「島嶼防衛用新対艦誘導弾（通称、日本製トマホーク）。圧倒的な長射程、ステルス性能、そして偵察用、電子戦用、攻撃用と使い分ける事ができる多様性。あと、明らかになっていないが、発射後も軌道を自由に変更できる高い生存性も兼ね備えている、という。どこからどう見ても、米国製トマホーク（RTX社製）を超えた。

中国本土が射程圏内になる事から、量産すれば日本の防衛力の格段に向上する。台湾有事までに、量産が間に合うか。。

3、日本学術会議の強い圧力により、大学での軍事研究が一切、禁止されている以上、民間企業の取り組みに期待するしかない現状を考慮すると、防衛産業が企業にとって取り組む価値のある分野として成長させる為にも、輸出促進に積極的に取り組むことは急務であると思う。

4、日本製がすべて高品質だというのは幻想。そして高品質なものであっても取得効率性と維持整備性が低ければ兵器としての価値はない。重要なのは価格と性能のバランス、そして何十年にも及ぶ部品供給が約束されるかということだ。民間企業が持っている豊富な知見を活用しなければ直ちに信用問題になるのは、どんな製品でも同じこと。