政府は2023年10月23日にAI活用を促進する「AI基本計画」を閣議決定した。同計画では、産業用ロボット、医療分野、金融、行政など幅広い領域でAI技術の社会実装を目指し、経済成長を促す考えを示した。計画では、5年間で1兆円規模の資金を投入し国産AIの開発を支援するものの、米中の桁違いの投資には追いつけず、具体的な戦略構築が求められる。
重点領域には日本の強みである「フィジカルAI」が盛り込まれ、ロボット技術との融合を促進する方向性が明記された。また、中央省庁の全職員に政府専用AI「源内」を配布し、行政効率化を進めるが、AIを使いこなせない層との格差が懸念されている。

今回の「AI基本計画」は、世界の技術競争から見て遅れを取る日本の状況を示しています。特に米国や中国による巨額投資に対して、1兆円の支援規模が相対的に小さく、国際的な競争力を獲得するには物足りません。「勝ち筋を示す」とされる計画も具体性に欠け、産業用ロボットや「フィジカルAI」の強みをどう活かすかが曖昧です。現状の戦略は勇ましい言葉こそ並べられていますが、それを裏付ける周到なロードマップが欠如しています。
まず、計画を実効性あるものにするには以下を提案します。
①注力すべき領域や企業へのターゲットを明確化し、無駄のない投資を行うこと。②AIを活用する教育制度やスキルアップ支援を迅速に整備し、企業や職員が積極的に活用できる環境を整えること。③海外先進国との連携を視野に入れ、日本の技術力を補完しながら国際的な存在感を高めること。
日本が競争力を立て直すためには、勇ましい言葉より具体的な行動が求められる時です。国家の未来がかかる挑戦に、言葉だけでは世界は応えてくれません。真に「反転攻勢」を目指すなら、現実的かつ大胆な施策に切り替える必要があります。
ネットからのコメント
1、AIに今から賭けても負けは確実。OpenAIやマイクロソフトの巨額投資にはとても敵わない。しかしAIはメモリや電力を馬鹿食いする。ロームやキオクシア、ルネサスでのメモリの生産、原発の安くて安定した電力なら日本が取れる可能性は高く、日本がシェアを抑える事ができる。AIというとソフトに目が行きがちだがハードがないとソフトは意味がない。ハードに投資したほうが合理的じゃないかな?
2、信じているものに金を出すと言うのはギャンブルだろう。
素人が見ても成算は見込めない使い果たす事まずありきの財政は国を亡ぼす。使う側は予算消化しないと次年度予算を減らされるから、何が何でも使い切る。無駄だろうが横領だろうが使い切る。付加価値創造がなかろうが生産性向上もなかろうがお構いなし支える側の国民家計はとっくに限界を超えている。ここ3年程急増したインフレ課税が過酷なのだ。消費実態としてのインフレは年率2-3%どころではなく上がっている
3、IT革命に乗り遅れ、バブル崩壊後に競争力を失っていった当時の状況を思い起こさせる。日本の政策運営は大胆さに欠け、小出しの対応に終始した結果、十分な成果を上げられないまま勢いを失っていく例が少なくない。AIは現代における最先端の基盤技術であり、国家戦略として本気で取り組むのであれば、少なくとも複数年で10兆円規模の投資を行う覚悟がなければ、再び同じ轍を踏むことになりかねない。高市政権にはある程度の期待はしているが、1兆円などと甘っちょろい額には、拍子抜けしてしまった。
4、AIは国の競争ではなく、人と技術のエコシステムと投資・資本関係で成り立っている。
NVIDIA、OpenAI、Microsoft、Googleといったビッグテックは相互に依存しながら発展してきている。優秀な人材がエコシステム内を生き来し、技術もそれによって、エコシステム内を生き渡る。投資家はビッグテックに投資し、その投資によって技術が大きく、かつ、急速に進歩する。中国の場合は国が投資する。また米中の間で生き来しているのは中国人のAIエンジニア。こういった巨大なAIのエコシステムにおいて、日本のポジションはソフトバンクの孫さんが動き回っているくらい。他の日本企業はGoogleやOpenAI提携しましたってだけで技術やサービスのお下がりをただ金を払って使うだけ。こんな低落の中、国が1兆円を5年間で拠出するって何かの笑い話か。エコシステムに参加しないとAIの最前線には決して出られませんよ。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/0841c14b940099639f488e3d29767969fdee0d32,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]