事件概要:2025年11月21日、高市早苗首相が閣議決定した総合経済対策では、補正予算の歳出総額が18兆3034億円、新規国債発行額が約11兆6960億円と歳出総額の約64%を占める財源となった。予算は物価高対策や防衛力強化、成長分野への投資を目的としており、税収は初の80兆円台だが歳出を補うには不足。他には市場信認や経済成長を重視する「責任ある積極財政」が掲げられるが、官民連携の投資誘導の実効性や将来性に疑念も呈され、金利の低さや官僚主導の政策決定への懸念が浮上している。

コメント:高市内閣の「責任ある積極財政」に基づく経済運営は、その表面的なスローガンとは裏腹に、深刻な問題を抱えています。増大する国債発行額は歳出総額の約64%を占める状態にあり、税収の上振れが強調される一方で当初予算を大きく下回る現実は隠せません。この構造は日本の持続可能な経済成長に対し、むしろ長期的な負担を増大させるものと考えざるを得ません。そもそも、官僚による成長分野の選定が本当に「賢い支出」を実現できるのかという点も疑問であり、過去の政策記録が能力不足を示唆しています。また、政府支出が民間投資を誘発するという想定は、現実の経済行動からは乖離しています。
根本的な問題は政府サイズの肥大化と民間経済の「依存体質」にあります。見直しが必要なのは以下の点です。まず、歳出削減と社会保障改革を真剣に進めること。
その上で、経済政策を再分配型から自助努力型へ転換し、企業がリスクを取れる環境を整備。さらに、中央集権的な官僚主導から市場が主導する自由経済へのシフトを推進することです。これらの改革なしでは「強い経済」の実現はおぼつかないでしょう。
結局、持続可能な経済成長は他人の資金に依存する拡大モデルでは不可能です。政府の負担軽減こそが本当の意味で国民を支える道であり、「強い経済」を実現するためには、自立した民間経済が不可欠です。政策の転換なしには、日本の経済は成長の希望を見失う危機に陥るでしょう。
ネットからのコメント
1、よく、法人税上げたら、賃金が上がらないとか、最低賃金上げたら中小企業が潰れるみたいなこと言うけど、赤沢大臣の言うとおり、賃上げできない企業人手不足倒産するなど、結果は変わらない気もする。いっそ新陳代謝は避けて通れないと思う。やっぱり、賃上げできないところは、そもそもの経営能力の問題もあるかもしれない。はたまた、分野を絞る公庫の拡充でもよいのではとは思う。資金繰り厳しいところもあるから。経営には、責任が伴うからこそ、貸付はいいとしても、政府の投資はこの期においては愚策だと思う。
2、危機的状況です。高市政権が掲げる積極財政と強い経済は、理論的にも実証的にも整合性を欠いています。金融政策の正常化が遅れ、実質金利が長期にわたりマイナス圏に固定された結果、資本配分は歪み、生産性の低い部門が温存されました。これはゾンビ企業の延命と潜在成長率の低下を招き、全要素生産性の押し下げ要因となっています。加えて、恒常的な財政拡張は政府債務残高の持続可能性を悪化させ、リカードの中立命題が成立しない現実下では、将来不安を通じて民間消費と投資を抑制します。産業政策による選別的支援は情報の非対称性と官僚的失敗を内包し、イノベーションの自律的創発を阻害します。必要なのは歳出構造の抜本的見直しと社会保障制度の給付と負担の再設計を通じ、財政制約を明確化することです。市場規律を回復させ、民間のリスクテイクを促す環境整備なくして、持続的成長は実現しません。
3、責任ある積極財政は恐らく、よほどのマイナスを生まない限り、アベノミクス同様に長期的に継続される事でしょう。それら政策を下支えする高市政権の支持率は驚異的で、最新の世論調査で18歳〜29歳の支持率92%とありました。
彼らが支持し続ける限り、責任ある積極財政はますます加速していきます。強い経済の復活になればいいのでしょうが、単なる巨額の財政出動で終わらない事を願います。
4、株高だから投資や運用という言葉が乱舞し必ず明るい未来があるように見られているが、本当に必要な投資や成功する開発は金額ありきではない。タイミングを見ての集中も必要だが、芽が出るまで細々でも持続する方が重要なことだ。その辺りのことが分かっている民間企業は技術情報を秘匿し、いつでも撤退したり方針転換する自由度を重視する。分かっていない政治家や素人官僚は目立つことを最重視し華々しく打ち上げる。今回も予算は巨額で多岐にわたるが、民間負担の少なさが指摘されているように当事者はそれほど熱くはない。本当にGDPや成長に寄与したければ民間に任せ責任も持たせることだ。大きな政府の弊害は言われ続けて来たことだが、日本の政府債務の巨額さは群を抜いている。今度はGDP比率での改善で財政規律を守るといっているが、もうテクニックの問題ではなく政治や権力のあり方や考え方のレベルまで来ている。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/6e1522bf193c8d342e2af33dc50ca9a843002978,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]