2023年10月16日、公正取引委員会は、大手電動工具メーカー「マキタ」に対し、下請法違反の勧告を行った。問題となったのは、マキタが持つ3214個の金型を、下請け業者84社に対して無償で長期にわたり保管させていたこと。この状態は遅くとも2022年1月から2023年9月まで続き、最長で30年以上保管されていた金型も含まれていた。
業者側が保管料を求めた際には支払いが行われたが、多くの業者は言い出せず、自己負担していた。マキタはこれに対し計2616万円の保管料を支払い、金型の廃棄や回収を進めた。マキタは世界的な市場占有率を持ち、関連売上は今年3月期で7531億円に達している。

この事件は、大手企業による規範逸脱の典型例として鮮明だ。まず、マキタが下請け業者に金型を無償で保管させ続けた行為は、下請法の精神に反しており、業者への負担を不当に強いていたことに異常を感じる。この問題の本質は、力強い市場占有力を持つ企業が下請けに圧力をかける構造的欠陥にある。下請け業者が声を上げられない状況は、恐怖や経済的依存による結果であり、委縮する業者が経済的損失を被る。解決策として、第一に業者が安心して意見を表明できる透明性の向上が求められる。
第二に、公正取引委員会の監視強化と迅速な対応を促進する法改正が必要だ。第三に、企業倫理を再構築し、不公正な慣行を根本から排除するべきだ。これらの施策を通じて、経済的公平性と信頼性を築くことで、社会全体の健全な成長につながるだろう。
ネットからのコメント
1、世界的なシェアを誇る企業が、下請けに無償で金型を押し付けるとは驚くべき横暴です。市場で力を持つことをいいことに、弱い立場の業者に負担を押し付け、法律を犯してまで利益を追求する姿勢は、企業としての品位も倫理も欠如していると言わざるを得ません。
2、ありがちな話ですが、これも是正していかなくてはいけない話。メーカーが昔からの流れ的な感覚で、金型保管を下請けに任せたまま。例え小さな部品の金型一つでも、数が多いと嵩張りますから場所的にも負担は大きいですよね。
3、マキタが支払いを行ったことは、過去の不当な取り決めを補うための措置だけど、最初から適切な契約や条件を設定していれば、こうした事態は防げた可能性がある。公取委の勧告は、今後同様の問題が発生しないようにするための予防措置として適切な対応でした。
4、トヨタにマキタ、業界を問わず最大手と呼ばれる企業の陰にはこういった力の弱い泣き寝入り企業が隠れていますバレるまで黙っているよりは大企業自ら外部調査チームを立ち上げて結果を公表してもらいたいところですが、なぜか下請け側の方が発覚を恐れている場合もあるので話がややこしくなるんですよね…
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/c025e6157a6ce03b98bf325bd203e4a67add8c3d,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]