2023年10月25日、小野田紀美・宇宙政策担当相は、H3ロケット8号機の打ち上げに失敗し、搭載されていた準天頂衛星「みちびき5号機」が喪失したと発表しました。このH3ロケットは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)によって打ち上げられ、2段部分が大気圏に再突入したと考えられていますが、地上への被害は確認されていませんでした。
「みちびき」は、日本版GPSとしてスマートフォンやカーナビの位置情報提供に不可欠な国産衛星システムで、今回成功すれば6機体制、来年の7号機打ち上げで7機体制が実現する予定でした。しかし、この失敗により計画は大幅に遅延することが懸念されています。

H3ロケットの打ち上げ失敗は、技術や計画の脆弱性を浮かび上がらせます。主力ロケットとして期待されていたH3の失敗は、宇宙開発における制度的欠陥や技術的な不具合を指摘せざるを得ません。背景にあるのは、開発予算の不十分さや技術者不足、そしてこれらを補うべき国際協力の不在です。具体的解決策として、まず開発予算の増額と予算配分の見直し、次に国際的な技術協力体制の強化、そして失敗時のデータ収集と分析の精緻化を推進することが挙げられます。これらを実行しない限り、日本は宇宙開発における国際競争力を維持することはできません。
システムの不具合や管理の甘さを痛感し、今後の宇宙開発の礎を築くための変革が必要です。
ネットからのコメント
1、今回の5号機は、既に3機運用している準天頂軌道への追加投入で安定度の向上の為という感じです。来年打ち上げ予定の7号機がちゃんと打ち上れば、3・6・7号機の静止と1・2・4号機の準天頂合わせて、日本周辺で常時4衛星が使えるので、開けている場所でなら、日本独自の測位体制が整います。
2、失敗は失敗で受け止める事は必要ですが、必要以上に落ち込んでいては次に繋がりません。スペースXも2024年7月に二段エンジンの再点火に失敗して、スターリンク20基を失いました。これは7年ぶりの軌道投入の失敗でした。飛行停止措置となりましたが、僅か2週間で原因の特定と対策、再発防止を完了させて打ち上げを再開しています。背景や状況、環境が違うので同じことをやれとは言いませんが、このスピード感と失敗で臆病にならない姿勢というのは目指す方向だと思いますね。
3、宇宙開発に失敗はつきものとは言え、今回の失敗の影響は大きい。
すでにH2Aが引退し、イプシロンもとん挫したまま、民間のカイロスも成功していないのでH3が打ち上がらなければ日本に大気圏外に到達する手段はない。 そして今回の失敗の原因が初号機の失敗と似ている部分があるようで、根本的な原因究明と対策にはかなり時間がかかりそうだ。その間、自前で衛星を上げることはできなくなった。 そしてH3はコストを抑えて打ち上げ回数を増やし、他国からの受注も含めて採算をとる計画だが、価格が際立って安い訳でもなく、信頼性もそこそこということになれば選択肢としては選ばれにくい。このダメージを回復することは簡単ではない。
4、米国とか何回も打ち上げ失敗し、人的被害すら多く出した上で今の位置にいる資源の乏しい日本は観光だけで今後やってくつもり?やはり技術に頼るしかない将来を見据え失敗を恐れずに今後もチャレンジを続けていって欲しい
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/b26edbdc389ce7d7e8b78980473e1aac8dbf6c25,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]