日本政府は、2026年度の税制改正大綱を確定し、「年収の壁」を現行の160万円から178万円に引き上げることを決定しました。この改正は、年収665万円以下の人々を対象とし、物価上昇に対応して「基礎控除」と「給与所得控除」の合計額をそれぞれ4万円増額します。また、特例措置として控除額を26年と27年には178万円に調整します。

この改正により、年収200万円の人は2万7000円、年収600万円の人は5万6000円の減税効果が見込まれます。一方、2027年1月から開始予定の防衛力強化のための所得税増税も決定され、社会の批判が予想されています。

この税制改正は、国民生活に直接影響を与えるため、詳細な検討が必要です。税制の変更は期待される経済効果もありますが、増税部分が防衛に関連することに対する疑問も出ています。適切なバランスの取れた政策として実行されるべきです。

この税制改正を評価するには、以下の点を考慮することが求められます。まず、年収の壁引き上げは一部の所得層には利益をもたらしますが、同時に増税が行われることで、全体としての負担感が増す可能性があります。次に、この税制改正により、特に低所得者層に与えるインパクトを正確に評価し、意図した社会的効果が達成されるような政策調整が必要です。

そして、政府が防衛費の増加をどのように説明し、納税者の理解を得られるかも重要です。最後に、政策の実施に関連する透明性を確保し、国民の信頼を醸成することが不可欠です。

ネットからのコメント

1、別記事にてエキスパートの門倉貴史さんがご指摘をしてらしてましたが、とても的確だと思い賛同しました。年収130万円を超えると年間20万円以上の社会保険料負担が生じ、手取りが逆に減る「働き損」が起きています。簡単に試算すると、社会保険料の壁を178万円や200万円程度まで引き上げれば、働くほど手取りが増え、働き控えは大きく減ります。所得税の壁だけを動かしても効果は限定的で、社会保険料の壁を同時に見直すことが重要だと思います。長期的に税収や人の働き方を考えると、200万円程度まで壁を引き上げることは、国にとっても働く人にとってもWin-Winになるのではないでしょうか。国会議員には、ぜひこうした中長期の視点まで踏み込んでシュミレーションした議論を要望します。

2、130万円の社会保険料の壁も引き上げないと実感が湧かないですね。

所得年収600万円での減税効果は約1%アップ、800万円で約0.8%アップに留まります。物価上昇率/年が3%ですから焼石に水を少しくべた感じです。フリーランスの人とかは、基礎控除が上がりますので、所得年収（経費控除後）が600万円までの方は一定の恩恵増となります。まだまだ、足りないという声も大きいですが、まずは初めの大きい一歩として高市政権の決断と粘った国民民主党を評価したいと思います。にしても立憲民主党の執行部は自民党より緊縮財政で話になりません。次の衆議院選挙では立憲民主党は有権者の鉄槌を覚悟しておいて下さい。

3、国民民主党は過去の選挙で所得制限なしで年収の壁を訴えていたので、まだ政策実現の途中と考えます。高所得の方はそれだけ納税してることでもあるので、年収で壁が変わるのはおかしいと感じます。

4、所得制限あるのね。かなりびっくりした。国民を分断しないで欲しい。それでも国民民主党はこれでガソリン税に続き最大の主張を二つとも政府に飲ませたことになる。自民党や立憲民主話党が誤った経済運営、財政運営を行なってきたことが国の凋落を招いた。

歴代政権やそれを担いだ人々、財務省は反省して欲しい。高市さんの実行力に引き続き、期待したい。