事件概要
外国為替資金特別会計(外為特会)が、衆院選を控えた消費税減税財源論議で注目されています。外為特会は為替介入のために設立され、資産は2025年末で約210兆円。24年度には円安の影響で5兆3603億円の剰余金が生じましたが、現状この剰余金の7割は一般会計に繰り入れられており、新規活用には課題があります。外貨準備の含み益を財源とする案は、外国債売却や外貨円換金といったリスクや米国の反発可能性を伴い、実現性に疑問の声があります。このため「埋蔵金」での減税賄いは現実的でないとの批判が強まっています。

コメント
この議論には多くの矛盾と危うさが潜んでいます。まず、外為特会を財源とする減税案は、一見すると財政的な余裕を活用するように見えますが、実態は異なります。
外貨準備の含み益は、円換算で計算されるため、為替変動により大きく左右される「未実現利益」に過ぎません。これを安易な財源と捉えることは、為替市場や国債市場に莫大な影響を及ぼす可能性があります。また、米国の反発を引き起こし、国際関係の摩擦を招くリスクも見逃せません。こうした背景は「モラルハザード」と指摘される通り、財政規律の欠如を象徴するものと言えるでしょう。
問題の本質は、継続的な減税財源を真に確保する制度設計への怠慢にあります。他の財源ではなく外為特会に頼ろうとする態度は、抜本的かつ持続可能な財政構造改革を棚上げし、「一時の帳尻合わせ」に終始している現政権の短絡的思考を露呈しているといえます。
解決策としては次の3つが挙げられます。まず、歳出削減を徹底し、財源確保の優先順位を見直すこと。次に、成長戦略を強化し、税収増加の長期的見通しを描くこと。そして減税に頼らない形で国民生活を支援する新たな政策パッケージを策定することです。このような抜本的な対応がなされない限り、「埋蔵金」という言葉は単なる政治的欺瞞の象徴として残り続けるでしょう。
ネットからのコメント
1、外為特会を「埋蔵金」として扱う議論がまた出てきたけれど、記事が示す通り、含み益は“使えるお金”ではなく、為替や米国との関係に直結する非常にデリケートな領域。毎年の歳入穴埋めに既に使われている部分も多く、減税の恒久財源として期待するのは現実的ではないという指摘もある。選挙の時期になると「財源は外為特会で」という話が繰り返されるけれど、本当に必要なのは、短期的な人気取りではなく、長期的に持続可能な財政運営をどうするのかという議論だと思う。減税を掲げるなら、その裏付けとなる安定した財源をどう確保するのか、そこを丁寧に説明してほしい。
2、この記事が丁寧に書いている通り、外為特会は「自由に使えるお金」ではありません。本来の目的は為替が危機的に変動した場合の調整用弾薬庫であり、しかも剰余金はすでに一般会計の穴埋めに使われていますので。「国民民主党が積極財政の財源として外為特会を例示した」とありますが、この考え方は大きな間違いです。恒久減税を含む政策の資金を一時的かつ変動的な為替益で賄おうとする発想は、「毎日の生活費をたまたま拾った財布をもとに設計する」のと同じ事。
含み益は円安によって生じた「実現していない評価差額」であり、円高になれば一瞬で消えるわけですから安定財源になりえません。高市さんの「ホクホク」という感情語がいかに軽率だったか。ここ数日の円安の進行を見てもその迂闊さは指摘せざるを得ませんね。
3、下記は、財務省のウェブサイトにおける外為特会の説明の引用である。(以下引用)外国為替資金特別会計は、円売り・外貨買い介入に伴って取得した外貨を資産、円を調達するために発行した政府短期証券を負債として保有しています。 また、保有外貨資産の利子収入等を歳入とし、政府短期証券の利払い等を歳出として経理しています。歳入と歳出の差額である毎年度の利益(決算上剰余金)は、一部を外国為替資金特別会計の運用資金である外国為替資金に組み入れ、残りを一般会計や翌年度の外国為替資金特別会計の歳入に繰り入れています。(以上引用)上記のように、毎年度の利益の一部は、既に一般会計歳入に繰り入れられている。過去にも、外貨建資産の評価益を埋蔵金として、それを活用しようという向きがあった。
しかし、外貨建資産を売却すれば、それだけ外為特会の評価益が減少し、将来の為替相場変動に対して脆弱になるのである。
4、外為特会の資産を減税分に充てるのは無理がある。しかし剰余金は処分可能であり、できない理由が米国の反発と言うのはおかしくないか。消費減税は国民の救済だけでなく、富の分配構造を見直すことで内需を拡大し、結果的に日本経済を立て直す意義がある。ドル売りすると米国が反発するからできないなど本末転倒だ。外為特会の目的は米国の機嫌取りではないだろう。ドル売りで円高誘導できれば一石二鳥だ。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/5de05216cb3a2adc5e82cac2deffb41e5fe55365,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]