事件概要
インドネシアのジャカルタ〜バンドン間を結ぶ高速鉄道「Whoosh」は、2021年に開業した東南アジア初の高速鉄道。同プロジェクトは総事業費72億2000万ドルに膨れ上がり、約75%を中国国家開発銀行からの高金利ローンで賄われている。
しかし、高需要を見込み設計されたビジネスモデルは崩壊し、平均乗車率は約5割にとどまる。運賃収入は年間約140億円に対し、利払いだけでも190億円と赤字が拡大。建設費の借入に関する再編交渉が進行中であるが、事実上の公的救済が必要とされ、債務超過は深刻な課題となっている。

コメント
インドネシア高速鉄道「Whoosh」が抱える深刻な赤字は、予測を誤った需要想定と非現実的な資金計画がもたらした結果であり、根本的な制度の欠陥を露呈しています。国家予算を使わずに収益化を目指す中国案は一見魅力的でしたが、長期に渡る高金利借款による支出が運賃収入を圧倒する問題が発生。その背景には、急ぎ過ぎた政治的決断や、透明性を欠く需要調査がありました。
プロジェクト解決には、第一に債務を減額または金利を大幅に引き下げる新たな交渉が必要です。
第二に利用者向けの魅力向上策として価格設定やサービス改善を図り、公共交通インフラとしての価値を増大させるべきです。第三に、開発計画全体における高度なデータ分析と持続可能性を評価可能な監査体制を構築し、信頼性確保を目指すべきでしょう。
この事態は、インフラ輸出の二重の教訓です。一つはホスト国が適切なパートナー選定を行う重要性。もう一つは先進国が単なる技術提供に留まらず、現地の需要に適合する設計思想を持ち込むべきであるという課題示唆です。それを怠った結果が、インドネシア「Whoosh」の現状に反映されていると言えます。
ネットからのコメント
1、返済が厳しくなった時点で、中国に主導権を握られやすい構造になっているのが一番の問題。延命のために条件緩和と引き換えに別の要求をのまされるのが「債務の罠」。現実的な対処は、中国一国依存を避けて多国間枠組みに持ち込み、運行規模を現実化し、延伸は凍結すること。損失は早めに認め、これ以上主権や将来の選択肢を差し出さないことが重要。鉄道事業の失敗より怖いのは、借金を通じて政治判断まで縛られること。
2、そもそも日本製と中国製では海外でも信頼度が全く違います。命を預ける高速鉄道ですから、誰だって事故して車両ごと土中に埋めて隠蔽するような国の乗り物に大金払って命を預けないでしょう。なので日本製新幹線だった場合の予想収益は今よりは良いと推定されています。ですが、そんな仮定の話よりもインドネシア政府と中国がどんなやつらなのかと言うことを明確に世界に知らしめたという事実の方が大きいと思う。日本は今後もこのような国々を注意をしつつ世界に進出してほしい。
3、日本なら運用についても考慮すると思うのでこのような事態にはならなかったと思います。早かろう安かろうで中国と契約した時点で終了ですね。次に懸念されるのは安全性が不安なので事故じゃないですか。
4、基本的に新幹線は日本(東海道線山陽新幹線)だから成功した。日本でも整備新幹線は成功しているとは言えない。インフラと車両・システム全てが揃って新幹線。在来線を活用するのなら欧州、安さを求めるのなら中国に譲るべき。日本の新幹線が欲しいから協力要請が無い限り、日本から売り込むべきでは無いと思います。
新幹線は唯一無二の物。私は外国の高速鉄道と新幹線は別物だと認識しています。だから外国人観光客も来日したら飛行機移動では無く、日本でしか乗れない新幹線移動を望むのでは?
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/31db0c39786aa57be846f01d9652e6518d001efa,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]