東京大学定量生命科学研究所のチームが9日付の米科学誌「サイエンス」で、好き嫌いの感情に関わる脳内メカニズムを解明したと発表した。マウス実験で、海馬からへんとう体につながる神経回路を光遺伝学で操作し、「嫌い」の感情を弱めたり作り出したりすることに成功。1ヘルツの刺激で神経接続を弱めると回避行動が減り、接続を強めると回避行動が現れた。うつ病など精神疾患治療への応用が期待されている。

今回の研究は、人間の感情を単純に「操作できる」という話ではなく、複雑な心の仕組みを科学的に理解する重要な一歩だ。好き嫌いという日常的な感情の背後に、記憶・感情・行動を結ぶ神経回路が存在することを示した点は大きな意義がある。一方で、脳の仕組みが分かったからといって、すぐに人間の感情を自在に変えられるわけではない。今後は、①治療への応用に向けた長期的な安全性検証、②本人の意思を尊重する倫理基準の整備、③動物実験から人への応用に向けた慎重な研究の積み重ねが必要だ。
科学の進歩は、人の心を支配するためではなく、苦しむ人を救うために使われてこそ価値がある。感情の謎に挑む研究が、より温かく人間らしい医療につながることを期待したい。
ネットからのコメント
1、この研究、かなり面白いですね。人を好きになったり嫌いになったりする気持ちは「性格」や「気分」の問題だと思われがちですが、実際には脳の神経回路が深く関わっていることが改めて示されたわけです。ただ、今回の結果はあくまでマウスでの実験なので、そのまま人間に当てはまるとはまだ言えません。人間は記憶だけでなく、言葉や価値観、その日の体調や経験まで感情に影響しますからね。それでも、嫌な記憶にいつまでも苦しめられる人や、PTSD、うつ病などの治療につながる可能性があるのは大きな希望だと思います。一方で、将来もし感情を人為的に変えられる技術になれば、「好き」「嫌い」をどこまで操作していいのかという倫理的な議論も避けられません。
2、興味深い研究ですが、利用方法に強い制限をかけないと問題が起きそうでもありますね。好きか嫌いかという人として極めて個人的な感情を操作できるとしたらこんなに恐ろしいことはない。
マウスと違って人はそんな簡単な話ではないと思いますが、今後の研究が気になりますね。
3、自分は初手の言動の良し悪しで判断しますけどね初対面で攻撃的な人とはどうあっても仲良くできないだから自分はなるべく感じ良く思われるよう接してます自分が優位に立とうとする人は攻撃的態度をとりがちかと思う優位に立ちたいと思うのは脳のメカニズムというより野生の本能なのかもですが。
4、昭和の頃の漫画だと、惚れ薬とかそんな回があったりして面白かったけど、人工的に好き嫌いが作り出せるって何気に凄い研究だと思う!近年、脳と腸が密接に影響して繋がってるのがわかったり、新しい発見が次々見つかっているから、次はどんな発見があるか楽しみ。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/0f2723e397a718847f74578e21a3929c3df16509,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]