2024年9月、日本生まれの在日コリアン女性が東京のホテルで宿泊を拒否されたことを巡り、ホテル運営会社を訴え220万円の損害賠償を求めています。新宿区のビジネスホテルでのチェックイン時、フロント担当者はパスポートか在留カードの提示を要求。女性は国内居住者であり、特別永住者証明書を持っていますが、常に携帯する義務はなく、健康保険証を提示しました。

しかし、担当者は特別永住者についての認識を欠き、「通名使用で宿泊可」と提案。女性はこれを創氏改名に例え拒否。結果、宿泊を拒否され、女性は別のホテルに宿泊。裁判後、多くの支持を受けており、女性は同様の苦しみを他人に経験させないため裁判を続ける決意を表明しています。

ホテルにおける女性への対応は根深い偏見と制度の欠陥を露呈しています。まず、特別永住者と一括りに外国人として扱い、パスポートや在留カード提示を要求する行為は旅館業法に違反しています。ホテル側は「行政の指導」を主張していますが、その解釈の誤りが明らかです。さらに、「通名で宿泊」との提案は、歴史的な背景を無視した不適切なもので、女性の民族的アイデンティティに対する明確な差別行為です。

問題の本質は、古い制度と理解不足です。第一に、特別永住者を異なる形で識別する方法がないこと。

第二に、旅館業法が国内居住者に必要な柔軟性を欠いていること。そして、教育の不足が差別や偏見を生んでいることです。

解決策として、1) 特別永住者への誤解を解く教育プログラムの導入、2) ホテル従業員への多文化理解の教育義務化、3) 特別永住者への対応を含む旅館業法の改正が必要です。

この事件は、個人の尊厳が制度や理解の欠如により脅かされる典型です。社会全体で真摯に対応しない限り、同様の問題はいつまでも繰り返されるでしょう。尊重と共生を基盤にした社会こそ、目指すべき未来です。

ネットからのコメント

1、健康保険証では身分証明にはならない。写真が貼付されていないからだ。せめて、マイナンバーカードなら良かった。運転免許証も無いなら、身分を証明する手段は希薄だ。永住者は在留カードを随時携帯する義務は無いと言っているが、事故や事件時にどうするのだろう。どんな場合でも、完全に身分を証明することは必要だ。

2、この人も大学教員なら海外へ出張したときに、ホテルでパスポートの提示を求められたはずです。なぜ同じことができないのでしょうか？日本にいても身分証明ができないのなら、ホテルのルールに基づいて対応されて当然です。

受付の人はきちんと仕事をしているだけで、非はありません。

3、日本人でもサービスの提供を受ける場所によっては、その施設が要する本人確認書類が必要で持って無ければサービスを受けることができない…ってことはよくある。これは別に外国人だから、差別だ、とかの問題ではなく、サービスを受ける側もきちんとルールを守らないといけないっていう倫理観の問題じゃないの？

4、パスポート提示は差別でもなんでもなく、身分証明の一つと考えられる。訴えている女性は何を主張しているのか疑問だ。海外では、母国語を話ても、旅行ビザの確認などパスポートの提示を求められることは一般的なことだ。身分証明提出を拒否すれば、宿泊拒否されることがある。今の日本、特に東京は外国人による不法就労が多く、差別ではなく、身分証明の提示を求められることが当然と考えなければならない。