高市首相は24日午後2時、衆議院で初の所信表明演説を行い、政府の最優先課題として「物価高対応」を掲げた。経済的苦境に対処すべく、政府が既に経済対策の策定を開始していることや、補正予算の速やかな提出を約束した。さらに、自民党が以前掲げた現金給付政策を取り下げる一方、ガソリン税や軽油引取税の暫定税率廃止を目指しつつ、財源確保や一時的な補助金活用による価格引き下げを提案した。

また、中小企業の生産性向上や自治体支援策、冬季の電気・ガス料金補助、給付付き税額控除制度の導入準備にも言及。公的負担の軽減を通じて生活と経済の安定を図ると表明した。

演説の内容は、物価高への対応を訴えつつも、具体的な実効性に欠ける部分が目立ちます。まず、現金給付撤回について、「国民の理解が得られない」との理由はあまりに抽象的です。必要なのは、その背景にある国民の不安や批判を明確にし、それに基づいた代替施策を示すことです。また、ガソリン税廃止などの政策は評価できますが、財源問題を根拠にした短期的補助金のみでは根本的な物価対策としての持続性が乏しく、暫定的な施策に留まる可能性があります。

本質的な問題は、政策が「緊急対策」に偏重するあまり、長期的な制度設計が進んでいない点です。例えば、価格上昇が企業の物価転嫁や供給不足に起因しているなら、地産地消への補助や流通の効率化、雇用対策なども含む広範な改革を進めるべきです。

また、電気料金補助についても、単なる支援ではなく、大規模な再生可能エネルギー投資を推進し、根本的なエネルギー政策を再構築すべきではないでしょうか。

最終的に、今回の演説は国民に対する直接的な安心感を与える一方で、本質的な物価安定への道筋が曖昧です。目先の政策だけではなく、長期的な視点で社会全体の不安解消を図る必要があります。国民生活の安定は、単なる支援ではなく、基盤となる制度改革によって実現されるべきです。高市内閣が、自らの言葉をリアルな行動に結びつける覚悟が問われています。

ネットからのコメント

1、高市さんになったからと言ってすぐに目に見える結果が出るなんて期待していない。そんなにすぐに結果が出せる程度の事なら前任の総理でも出来てたはず。高市さんには長期的な目線で日本経済が上向いて行くであろうという期待感を持たせてくれる政策を進めてほしい。すぐに揚げ足を取ってくる輩が増えてくると思うがお構い無しで前に進んでいただきたい。

2、高市首相の初の所信表明演説、国民の暮らしに直結する物価高対策を「最優先」と明言したのは、素直に心強く感じました。

ガソリン価格の引き下げや冬の電気・ガス料金の支援など、具体的な施策に触れていたのも好印象です。特に、暫定税率の廃止に向けた法案提出の意欲や、補助金を活用した価格引き下げへの対応は、日々の生活費に悩む人にとってはありがたい話。ただ、財源の確保や制度設計の難しさもあるので、実現までの道のりは簡単ではなさそうです。国民としては、スピード感と丁寧さの両方を期待したいところ。与野党で知恵を出し合って、実効性のある対策を進めてほしいですね。暮らしの安心が少しでも早く届くよう、注目していきたいです。

3、暫定税率は本来無いモノです、上乗せですから。元のガソリン税は残ります。ガソリン税を廃止しろなんて言ってません、暫定上乗せは当初2年間特定限定でした。初めから無いものですから、無くなっても地方財源に措置する必要は全く無い。だって2年出なくなる予定だったのだから。

4、高市首相の初の所信表明、方向性がかなり明確でしたね。物価高への即応を最優先としつつ、「現金給付を見送り」「ガソリン税など暫定税率の廃止」に舵を切ったのは象徴的。

一時的な“バラマキ”よりも、構造的な負担軽減を重視する姿勢が見えます。ただ、暫定税率廃止は国・地方の財源確保が課題で、政治的には相当ハードルが高い。“スピード重視の経済対策”を掲げる中で、実際にどこまで実行力を示せるかが、高市政権の最初の試金石になりそうです。