米国とカナダの貿易交渉が、トランプ大統領の決定により打ち切られた。理由は、カナダ側がレーガン元大統領の発言を捏造した広告を発表したことである。トランプ大統領は自身のSNSで「カナダの重大な行為」を理由に交渉を中断すると発表した。広告はオンタリオ州政府によるもので、関税に関するメッセージが含まれていた。広告の内容に対して、レーガン財団は法的措置を検討中と表明している。

この決定により、両国間の鉄鋼とアルミニウムの関税問題での合意が当面見送られる見通しである。カナダのカーニー首相は、米国が自国市場へ不当なアクセスを試みた場合にはそれを拒否する姿勢を示している。

今回の事件を通じて明らかになったのは、外交交渉の場に於ける誤情報の深刻な影響である。レーガン大統領の発言を歪めたオンタリオ州政府の広告は、米国との経済関係に甚大な影響を及ぼした。まず、広告の内容を吟味し、情報の正確性を確保する体制が明らかに欠如している点を指摘しなければならない。背景には、州政府内における情報管理体制の不備や、意見表明に於ける倫理基準の欠落が見受けられる。対策として、第一に、情報発信の前に厳格なファクトチェック制度を導入し、公正な見解形成のためのガイドラインを策定することが求められる。

第二に、関税などの経済政策に関しては、州政府と連邦政府が密接に協力し、一致した立場で交渉を進めることが重要である。第三に、国際的な対話の場で誤解や誤情報を避けるための教育プログラムを拡充すべきだ。貿易という経済的結び付きが、誤情報ひとつで容易に阻害されることへの理解を深めるためにも、各国は透明性と真実性を守ることに全力を注ぐ必要がある。

ネットからのコメント

1、民主主義国家間で盤石な経済圏をつくり、覇権主義国家と対峙しなければいけない時代に、それを牽引すべきアメリカの大統領がこれではますます中露の影響力は増していく一方です。近いうちにGDP世界一の座も中国に奪われることが確定している状況で、いつまでグレートアメリカの神通力が通用すると思っているのだろう。カナダはトランプの圧力に屈せず、経済にダメージがあっても気概を見せていて、日本を含め他の民主主義陣営も結束してトランプに抵抗してほしい。

2、日本もアメリカに従属せずに、カナダのように対等の立場で交渉しないと、日和見主義のトランプはまだ日本には占領地としか見なしていないから、いつ裏切られてもおかしくない。

3、中国が喜んでいる。例えばカナダの豊富な資源を中国ブローカーが買い占める動きが活発になっているという。他にもカナダへの中国進出は活発なのでアメリカはカナダと喧嘩している場合ではない。北米大陸に中国勢力が乗り込んだらどうするつもりなのだろうか。トランプは自身の任期中さえ良ければどうでもいいのだろう。中長期的な視野をトランプ氏はもっともつべきだ。(というか、まず政府閉鎖を何とかしろ)

4、相手に自分の主張を呑ませるためには交渉に応ずるが、都合が悪くなると交渉自体を打ち切るようにしか見えない。そもそも自分の主張を呑ませるための対話は交渉と呼ばないと思うが。