鬼怒川温泉の廃墟ホテル群は、インバウンド依存の観光地が抱える問題を象徴しています。かつて1993年には年間341万人が訪れる人気の温泉地だった鬼怒川温泉も、バブル崩壊後の景気低迷や融資難から2024年には宿泊客数が約150万人にまで減少しました。さらに2023年の訪日外国人数が年間4000万人を突破すると予測される中、日中関係の悪化で中国人観光客が減少し、特に11月には56万人と今年最小を記録しました。
観光は団体客やインバウンドに依存しすぎたため、経営破綻したホテルは廃墟と化し、今やその数は増加の一途をたどっています。解体費用が数億円に上ることや地権者との連絡が困難であることが、問題解決を一層難しくしています。

観光業界における鬼怒川温泉の状況は、現代社会が抱える深刻な問題を浮き彫りにしています。観光地がインバウンド需要に過度に依存し、ターゲットの絞り込みに失敗すると、鬼怒川温泉のような衰退が待ち受けているのです。その背景には、バブル期の団体客依存による大型施設の乱立と、その後の経済環境の変化への対応不足があります。この状況を打破するためには、具体的かつ多様なターゲット設定が必要です。第一に、日本人を含む幅広い顧客層をターゲットに、地域の魅力を伝えるマーケティング戦略が求められます。
例えば、SNSを活用した若年層へのアピールや、平日の需要を喚起するためのビジネス層への訴求です。第二に、地元資源を活かした新しい体験型観光や文化プログラムの開発です。これにより地域の独自性を強化し、観光資源に新たな価値を付加できます。最後に、廃墟問題の解決には、官民一体となった取り組みや廃旅館撤去への補助制度の利用が不可欠です。鬼怒川温泉が再び活気を取り戻すには、これらの多角的なアプローチが鍵となるでしょう。
ネットからのコメント
1、鬼怒川温泉の現状は今に始まったわけでもなく、インバウンドどうこう言われる以前から、変わっていない。あさやホテルをはじめまだ旅館ホテルは健在で、むしろあり過ぎたものが整理されただけという気もする。Diamondオンラインは中国の渡航自粛が日本経済に与える影響が大きいと言いた続けたいようだが、影響があるのは彼の国の経営者が関わっているか、ほぼ100%依存していた施設や観光業だけであって、そこまで影響が少ない、むしろ良い傾向の論調が殆どでは?
2、取り壊しが事実上不可能に近い廃墟が目立つから衰退感があるけれど、実のところ鬼怒川温泉が末路呼ばわりされるほど「滅びゆく観光地」なのかっていうと、ぜんぜんそんなことはないピークに比べれば少ないとはいえ年間宿泊客数150万人ってのは堂々たる数字で、比較するなら伊香保とか那須の100万人ちょっとよりは上、伊東や別府の250万人よりは下ってところ。
ダントツの箱根やら草津とかには遠く及ばないけど、十分に「大勢の観光客を集める有名温泉地」といえるくらいの集客力と知名度がある
3、鬼怒川温泉は、インバウンド関係ないですね。ただ単に、昔は日本人客で賑わっていたけど、バブルが崩壊して客足が遠のいたって感じです。熱海も同じです。ただ熱海は、少しずつ活気を取り戻しているような報道を見ましたが。観光協会と旅館業など観光に携わる方々の長年の努力が実を結んでいる結果ではないでしょうか。
4、温泉街が衰退していったのは、会社の慰安旅行を廃止したり、テーマパークに変更した影響は、かなり大きいと思いますよ。団体客より、個人、少人数での宿泊がメインになりつつある中で、大宴会場なんか誰も利用しないと思う。時代は完全に変わったと、自分達が認識しないと生き残れないと思う。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/946b9ee3fb3ed039bad425ee9f682aab4b78facb,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]