7月30日午前9時40分、ロシア・カムチャツカ半島沖で発生した地震により、大阪府に津波注意報が発令された。これを受け、日本国際博覧会協会は午前10時に災害対策本部を設置し、会場の地盤が津波予想高（1メートル）より8メートル高いため、通常運営を決定した。しかし、場内アナウンスは津波到達予想時刻の正午を過ぎた午後0時7分にずれ込み、来場者への周知が遅れた。

協会は「改善の余地がある」と謝罪した。

災害発生から情報の伝達まで、わずか数分の遅れが命取りになることを、我々は東日本大震災で痛感してきた。そんな中、津波注意報発令から2時間以上経過した午後0時7分にようやくアナウンスされたという事実は、異常かつ重大な過失である。

問題の本質は、形式的な安全確認と、行政や関係機関との調整を優先するあまり、最優先であるべき「即時の警戒情報の共有」が後回しにされたという点にある。これは防災の基本に反する。防災計画が「想定内」の前提で動く構造的欠陥が浮き彫りになった。

解決策としては、第一に「警報即時通知」の自動化とルール化。第二に、到達時刻より前に最低限の警戒放送を義務づけるガイドラインの整備。第三に、自治体と主催機関の連携フローを見直し、責任の所在を明確にする法整備が必要だ。

命を守る行動は、事後の釈明や調整ではなく、最初の一報の速さにかかっている。いかに高度な防災インフラを持とうと、それを活かす判断力が鈍れば、命は守れない。

ネットからのコメント

1、万博のためだけに組織された協会ですから、有事の際の備えまでは十分にできていなかったのかもしれませんが、安全対策はしっかりしていると説明されても、いざという時に情報が届かないのでは不安です。 万博開催中は多くの人が集まるわけですし、来場者の命にも関わることだから、今回の件を教訓にして、災害時の連絡体制をしっかり見直してほしいです。

2、単に津波注意報が出ているというアナウンスだけでは意味がなくて、万博としての対応と来場者への呼びかけもセットで行う必要があります。 おそらく、そのあたりを関係各所と情報共有するなどして意思決定に時間がかかったので遅くなった、ということでしょう。 なので、この場合改善点はどこかというと、意思決定をどれだけ迅速にできるかということになります。 もともと、ユスリカとかレジオネラ菌とか何かしら問題点が出てきても、それに対応するのが決して迅速とは言えない博覧会協会なので、まあさもありなんという気はします。

3、万博は、7分の遅れで「陳謝」しているけど、 震源により近い、ディズニーシーや万博に近い、USJではどういう対応やアナウンスがあったのかも知りたいですね。 ディズニーシーがある場所も、USJがある場所も、万博がある場所も危険なのであれば、 東京都内や大阪市内はどうなんだという話なんだけどね。

4、メディアやネットで発表から 万博でのアナウンスが無い のは問題だし万が一が 有れば人災と言われる事案です 非難するにも陸続きじゃあ無いから 非難が難しいと思います 南海トラフ地震や大阪市内に 上町台地の断層が有り 地形が山に囲まれすり鉢形に 成ってるから津波が心配ですし 大阪市内は埋立地が多く液状化 の心配も有ります