8日、トランプ米大統領はトルコ・アンカラで開かれたNATO首脳会議で、スペインを「ひどいパートナー」と批判し、ベセント財務長官に対しスペインとのあらゆる貿易停止を指示したと発言した。貿易停止表明は3月に続き2度目だが、実際の取引は継続している。背景には、スペインがNATOの国防費GDP比5%目標に同意していないことや、イラン情勢で米軍利用を拒否したことへの不満がある。スペイン政府は関係維持を表明し、EU関税同盟の規則上、単独対応は困難と説明した。

国際同盟関係を個人間の交渉のように扱い、気に入らない相手に経済的圧力をちらつかせる姿勢は、外交の安定性を大きく損なう危険な対応だ。NATOという安全保障の枠組みは、加盟国同士が異なる立場を調整するための制度であり、指示や脅しで従わせる場ではない。今回の問題の本質は、加盟国間の負担分担を巡る議論そのものではなく、ルールよりも一方的な力関係を優先する政治姿勢にある。
解決には、第一にNATO内で防衛費負担の基準や達成時期を透明化すること、第二に加盟国間の意見対立を第三者調整によって解決する仕組みを強化すること、第三に貿易や安全保障を報復手段ではなく協議の材料として扱う外交原則を守ることが必要だ。
同盟とは利益が一致するときだけ利用する契約ではなく、違いを抱えながら支え合う約束である。強さとは相手を脅して従わせることではなく、信頼される仕組みを築くことだ。短期的な圧力で得る勝利より、長期的な信頼を失わない政治こそが本当の力を持つ。
ネットからのコメント
1、米西貿易の収支はアメリカ側が黒字となっており、スペインの輸入は原油・ガス・医薬品が主要品目のようで、代替できないものはないと言っていいほど。逆に、トランプが貿易黒字を自ら捨てることは、赤字を減らそうと躍起になっている動きと逆行するのではないか。 トランプが勝手に始めた戦争に、スペインは国の方針をはっきり示し、自分に味方をしなかったからと個人的感情からの嫌がらせにしか見えない行為で威嚇しても、誇り高いスペインがそんな子供じみたトランプに靡くとはとても思えない。
アメリカ国民は、秋の中間選挙で本気でトランプ共和党にNOを突きつけないと、アメリカの地位低下に歯止めがかからず厖大な代償を払うことになるのではないか。
2、彼の強い発言は、これまでの経緯から見ても『全てディール』としての側面があり・・スペイン側もその点は熟知しているのではと感じています。。過去の事例を踏まえれば、こうした言葉は深刻に受け取らず『聞き流す』という認識がNATO内でも共有されているように想います。。
3、トランプ大統領はスペインのことを非難できるのでしょうか。立場の違いはあっても、一方だけを悪者にするような言い方には疑問を感じます。NATOが防衛費目標に応じないとか、イランの件で基地を貸さなかったとか、それで貿易を全部止めるというのは少し乱暴な気がします。NATOは加盟国同士が協力して成り立つ枠組みですし、考え方の違いがあるからこそ対話を重ねることが大切ではないでしょうか。強い言葉で圧力をかけるよりも、お互いが歩み寄れる道を探してほしいです。
4、トランプ氏の「気に入らなければ取引停止」という発想は、外交というより圧力政治に見えてしまう。
同盟国に防衛費の負担を求めること自体は理解できるが、自国の意向に従わないからと経済制裁のような手段をちらつかせれば、NATOの結束は弱まるだけだ。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/f97694e8c5fb9ae889ef080f7c1cf72ebcaa3644,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]