自民党と日本維新の会が、衆議院の比例代表議席削減に合意しました。合意内容は「身を切る改革」として衆議院の現行465議席から約1割を削減するもので、具体的には比例代表を176議席から130議席に減らすことになります。この削減により、小選挙区の比重が高まり、新興政党や中小政党にとって比例区での議席獲得が難しくなる可能性があります。

自民党はこれにより、従来の盟友である公明党との距離を置き、保守票を奪い合う他政党への対抗策を整えることが狙いとされています。一方、維新にとっては党是である「身を切る改革」を実現し、地域政党としての強みを活かす選挙環境を整えるための戦略が込められています。この動きは政治日程にも影響を与え、早期解散の布石となり得ます。

この事件は、選挙制度の急激な変更により民主主義の根幹を揺るがす可能性があり、強い批判が高まることが予想されます。この比例区削減合意には表面的な「改革」の裏で自民党と維新の政治的計算が隠されており、選挙制度の本来の意義を損なう危険性があります。まず、比例代表制は新興政党が国政に参入する重要な経路です。この削減は、既存の強い党が有利な小選挙区制への依存度を高め、政治の多様性を妨げる結果を招くでしょう。議席削減に伴う比例復活制度についても別の議論が必要です。この制度が「敗者復活」と見なされる原因を是正するためには、重複立候補の禁止や小選挙区得票率に基づく比例順位調整など具体的な対策が必要です。46議席の削減という表面上の変化が、実際には日本の選挙制度の性質を変え、民主主義の活力を阻害する恐れがあります。

この問題に対しては、選挙制度改革が必要であっても、慎重で徹底した議論が求められるべきです。現状の制度のあり方について、新たな視点から検討し、一部の政党の戦略的目的に振り回されない選挙制度を尊重するための見直しが急務です。選挙制度の本質を見失わず、民主主義の多様性と公平性を守るための新たな枠組みの設計を求める声がさらに高まることを期待します。

ネットからのコメント

1、小選挙区で議席を大きく獲得できる可能性を持つのは、全国的な組織力と知名度を持つ自民党、立憲民主党、そして関西圏で一定の力がある日本維新の会の3党です。一方、国民民主党や共産党、公明党、さらには参政党、日本保守党などの新興政党は、小選挙区での当選が難しく、比例代表制度に依存せざるを得ない構造にあります。議席削減、維新の狙いは公明党と支持率上昇の国民民主党と参政党潰しでしょうね。維新が連立協議前に強く訴えていた企業団体献金廃止については引き続き両党協議で２年以内に廃止を目指すなんて、やらないと言っているようなもので、議員削減は今年中には法案成立させることが連立合意条件と速やかに実現させるのに企業団体献金２年以内とは全くの期待ハズレで端から連立前提での協議だったのでしょうね。

2、小選挙区制度は資金力と組織票がある大政党が有利。中選挙区は中規模政党は助かるが小政党は厳しい。比例は小政党にもチャンスがある。今回の比例定数削減は、大政党や地域政党に有利。自分達に有利な選挙制度をさも「身を切る」かのように言っている。これで組織力の無い政党や人物の政治参加が困難になり、政治がさらに淀む。思考の深い人は気が付くが「定数削減」に夢中になったり「比例復活」と「比例」の区別が付かないような人は気が付かない。その上、「企業献金禁止」は先送り。維新お得意の「定数削減」逆らう人は「抵抗勢力」をやってくるだろう。なんせ、維新と言えば、日本をボロボロにしたと言われる竹中さんがバック。

3、維新が既成政党化した証。参政党を意識している。支持層が被っているだけに、昔の社会党と共産党のつばぜり合いみたいなもの。1975年の公選法改正により、ビラ撒き規制をした。これは労組依存体質で組織力の弱い社会党が共産党の組織力を恐れたこともあり、自自民党も大歓迎で改正された。当時の社会党の主張は、｢ビラの印刷費を捻出できる政党に有利。

これも一種の金権選挙｣だった。チームみらいのように、若年層の支持が厚い振興勢力は、大政党に化ける余地があるのに、その芽を摘むのは残念。若年層の投票率低下するかも。今や、維新にとっては好都合なのだろう。

4、参議院はもともと貴族院から始まったが、今や問う民意の対象は同じで、単に解散されず、審議においても衆議院のコピーになっている。いっそ参議院も廃止して１院制にすれば、議員248人に留まらず、関係する公務員と選挙費用も大幅削減できるし、審議の大幅スピードアップも図れる。参議院の廃止を提案したい。