斎藤元彦兵庫県知事を巡る問題は、公益通報対応の制度的欠陥が浮き彫りとなる事件です。昨年7月、元西播磨県民局長が自死し、背景には知事の情報漏えい指示疑惑があるとされ、関係者が証言しました。今年、兵庫県は公益通報者保護を明文化した要綱を改正しましたが、「過去の事案」「適切な対応済み」として告発を門前払いする規定が追加され、真相解明を封じる内容であると指摘されています。
また、知事の側近である元総務部長は停職処分後、有力ポストに就任して沈黙。重大疑惑は曖昧なままで、要綱が疑惑葬り去りの道具に利用される可能性が懸念されています。

制度の欠陥は明らかです。公益通報者保護制度の目的は不正追及であり、「過去の事案だから」と調査を拒む立場は法令の理念を損ねます。また、側近の処分後に問題を曖昧化する制度運用は、政治不正の温床を構築します。真相解明を進めない状況は、公共の透明性と信頼性を急速に損失し、権力濫用が助長される懸念を助長します。
解決策として、以下の点を提言します。第一に、第三者機関による公益通報の公正な評価と調査を義務化する制度改革。第二に、通報拒否基準の透明性確保のため、具体的な理由開示と見直しを行う仕組みの導入。第三に、上級公務員への定期的な倫理審査を義務化し調査の公平性を保つ。
公正性を失えば公益通報制度は形骸化します。疑惑葬り去り制度を許さない姿勢こそ必要です。この問題を曖昧に済ませるならば、社会はいずれ真の信頼を失います。
ネットからのコメント
1、疑惑を葬り去るのみならず、外部通報に関する条文の記述に過去を蒸し返さないように利用できるような法の立て付けになっているのは、重大だと思います。斎藤氏や自らの部下は救済したり、幕引きするような事を行い、自らを追及した元局長に対してはとことん追い詰める。斎藤氏のやっているのは、正しく政治の私物化であり、知事として不適格だと思います。来年も徹底した追及は必要ですし、斎藤氏ののらりくらり戦法に騙されては行けないと思います。
2、知事が通報内容を検閲できるわけで、これまでの知事の通報者潰しを正当化しようと工夫したのだろう。外部通報先は怪しげなバーチャルオフィスであり、兵庫県で外部へ通報しようとするなら、弁護士や報道機関等へ直接持ち込む以外に手段はないということになった。但し昨年の通報者潰しは、通報前の段階で行われているようであり、知事側はさらなる監視体制の強化を図る可能性がある。
3、告発された当事者が権力駆使して処分してしまったからこの騒動。揉め事の当事者が権力かざして、処分を決めたら批判の嵐になるのは当然。本当に賢い人であれば告発者を処分する場合、利害関係のない第三者の意見を担保にする。あとでこのようにぐちゃぐちゃ言われないようにするために。
4、西脇亨輔弁護士の解説、毎度勉強になります。記事内での「気になる条文」に関しては気付いておりませんでした。そもそも、井ノ本元総務部長は情報漏洩により6ヶ月の停職処分となるはずが、「あくまで知事からの指令があったから遂行しただけだ」と反論し、それが受け入れられて3ヶ月に減刑処分となり、斎藤元彦もその処分で了承したと判をついています。それならば「斎藤元彦から漏洩の指示があった」ことは懲戒処分の大前提になっているはずですが、当の元彦は依然として「指示はしていない」という意見を変えていません。ここに重大な矛盾が生じています。この曖昧な状態で「必要な対応を終えた(のでこの件は終了)」とは到底思えません。調査する手段がない、対応は適切だった、そう判断するのは十分な調査を終えてから判断することであって、門前払いの対象とするべきではないですね。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/bf2ad1024cc7bc49a82b66fc910a89b5068daa68,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]