厚生労働省が2023年7~8月に7430世帯を対象に行った所得格差調査によると、当初所得のジニ係数が過去最大の0.5855を記録しました。これは、高齢者世帯の増加が主な原因とされています。一方、税金や社会保険料を控除し、社会保障給付を加味した再分配後の係数は0.3825で、1.6ポイント改善されたものの、1999年以降横ばい状態が続いています。
さらに、1世帯当たりの平均当初所得は384万8000円であり、再分配により467万7000円まで増加したものの、多くの人々が依然として格差の拡大を実感している現状が浮き彫りとなりました。

今回の報告に見られるジニ係数が示す所得格差の拡大は、社会構造の欠陥を示す深刻な問題です。現役世代と高齢世帯間での所得格差拡大が進み続ける一方で、再分配後の効果は横ばい状態に留まり、本来期待される社会保障の役割が十分機能していないのは明白です。
根本的な問題は、第一に社会保障制度の弱点による再分配機能の低下、第二に高齢化社会の対応不足、第三に雇用や所得の構造的不平等にあります。この状況を変えるには、以下の政策が不可欠です。
高齢世帯への給付金支援の増額や地道な制度拡充。若年層への所得支援を兼ねた世代間格差是正策。これらの取り組みが成果を挙げない限り、社会的公平性は失われ続けるでしょう。日本社会が掲げる「全世代型社会保障」の理念は未だ絵空事であり、この矛盾を放置することは国民の信頼を失墜させるに等しい危険です。社会全体の統合を再構築する機会を逃さぬことが今、求められています。
ネットからのコメント
1、所得格差などあって当たり前。若いうちから真面目に働き蓄財に励み子供を育て夢中で生きてきた。節約もして夫婦で働き老後に備える。年齢を重ね世間を見れば蓄財もしていなかった人が金がないと叫び人を羨む。社会の制度ではない。心がけの問題である。どんな時代も格差はある。時代の変化に併せ金の使い道を考えて未来に備える。過去から現在まで何一つ原理原則は変わらないのだ。
2、所得格差はどの時代もあると思います。若いうちからコツコツ貯めて頑張ってきた人が報われる社会であればそれでいいです。所得格差を無くそうというのは理想論であり、現実的ではないと思います。いつでも隣の芝生は青いのです。コツコツ耐えて貯めて増やしてを繰り返すしかないと思います。
3、所得格差は現役世代に比べて所得が少ない高齢者世帯の増加に伴い過去最大となったとの事。所得格差が広がったと言っても、所得が低い現役世代もいるし所得は低くても預貯金や資産がある高齢者もいる。自民党の長期政権で政策に工夫がなく今の物価高の状況を招いた。バブルの崩壊や少子高齢化は他国でも起こってるが先進国のなかで30年以上経済成長がほぼゼロに近く賃金が上がってないのは日本のみである。この物価高で一般市民の暮らしは手取り所得が増えないと現役世代は厳しい。自民党は増税や社会保険料を絞り取るばかりではなく真面目に働く現役世代が報われる政策を取って欲しい。
4、私の母親は、運用や投資を積極的にやって、賃貸工場やマンションなども複数所有し、株の配当もある。年金はたいしたことはないけど、家業の傍ら持ち前の投資の先見性などもあり、現役の頃は無駄使いもせず、小金を投資に積み立てて80歳まで仕事をしていたので、体力もあって豊かな老後を送っている(今は高額な施設に入っている)。かたや、親戚は若い頃は入って来たお金を豪快に使い、今はほとんど貯蓄もなく年金だけでは暮らせなくて、福祉にお世話になっている。
これだけ人生が長くなれば、その結果は高齢化が進むほど格差が広がるのは当たり前では。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/7ac94838b2e623fddaf9a73d97cc145ee62cd8a5,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]