EUのエネルギー相は2027年末までにロシア産ガスの輸入を完全禁止する方針を決定した。この決定はルクセンブルクでの会合における多数決で承認され、まず短期契約による輸入を停止し、18か月後には長期契約も対象となる。ただし、ハンガリーやスロバキアには例外措置が認められる。この合意は、EUがロシア産化石燃料からの脱却を目指す「リパワーEU」計画の一部であり、欧州議会との協議を経て年内に最終合意を目指す。
これに伴い、欧州と米国間でエネルギー分野での7500億ドル相当の契約が見込まれている。
EUのロシア産ガス全面禁輸の決定は、その依存からの脱却を目指す大胆な一歩である。地政学的影響を考慮すると、エネルギー安全保障の強化は歓迎すべきだが、この急速な変革には見過ごせない課題がある。まず、加盟国間の立場の違いが浮き彫りになり、特にハンガリーやスロバキアのような内陸国への配慮が重要だ。また、エネルギー供給の多様化が不十分な場合、通過国への経済的負担が増す可能性がある。さらに、米国産LNGへの依存が高まることで、価格競争力や安定供給が試されるだろう。解決策として、まず再生可能エネルギーの拡充による自給率向上が必要だ。次に、国際協力を強化し第三国とのエネルギー協定を増やすことが挙げられる。最後に、加盟国間のエネルギーインフラ整備を進め、内部の流動性を確保する努力が求められる。
これらによって、EUは持続可能で強固なエネルギー基盤を築けるはずだ。
ネットからのコメント
1、EUがロシア産ガスから完全に脱却する決断。これは制裁でもあり覚悟でもある。エネルギーの自立は一朝一夕ではできないけれど、戦争をきっかけに安さより価値観を選んだ歴史的な判断だと思う。短期的には物価上昇や産業コストが重くのしかかるが、10年後、20年後に“エネルギー主権”を手に入れたEUを世界は評価するはず。
2、こんな短期間でEUのほとんどの国が輸入先の転換を完了している素早さに驚いた。欧州は、ロシアのこととなると本気だ。日本人もロシアのヤバさは知っているつもりだか、欧州が抱いているロシアに対する警戒心は凄まじいものがある。歴史的にみてもフィンランドなどは国の存亡を脅かされた過去がある。そして目の前でウクライナが国を奪われる様を見ている。近代でもなく現代においてだ。EUとしては「え、こんな時に??」という思いだろう。日本も信じられないようなことをやる国々に囲まれている。彼らには国際社会の常識は通じないということを肝に銘じなければいけない。
3、東ドイツ出身のメルケルがロシア産のガスに首ったけでしたね、ドイツは原発も止めてロシアのガスもなくなって本当に大丈夫なんですかね。ただでさえ国民はべらぼうに高い電気料金に苦しんでるというのに。ウクライナとロシアの戦争が始まってから何年も経つのにやっとですかという感じしかありませんが、はじめの一歩になるかもしれませんね。しかし隣国に恵まれないと国民が苦労するのはヨーロッパも日本も同じですね。
4、アメリカからLNGだとタンカー利用だよね?陸上パイプラインで済むロシア産と比較すると輸送コストが膨大になり、EU諸国民の生活は相当苦しくなりそう。とはいえ、いつまでもロシアがエネルギーのアキレス腱になってはならないという思いがあるんだろうなあ。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/038f51b538dbd237f80483427e3d11495edbea73,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]