広島代表・広陵高校は、2025年8月7日に行われた第107回全国高校野球選手権大会3日目第4試合で、北北海道代表・旭川志峯に3対1で勝利し、3年連続の初戦突破を果たした。この試合は午後7時29分開始という甲子園史上最も遅いプレーボールとなったが、アルプススタンドにはチアリーダー部と吹奏楽部の姿がなかった。理由について、責任教師・中井惇一部長は「ブラスバンドは大会の重複、チアはナイター後の日帰りでは深夜帰宅になる配慮」と説明した。
応援は控え部員がメガホンで対応した。
選手たちは全力で戦い、勝利を収めた。その姿は立派だ。しかし、教育の本質を問われるのは応援体制の背景だ。大会と日程の重複、夜間帰宅の懸念——その理由は理解できるが、裏返せば「高校生が安全に夢を追えない制度設計」が露呈している。高校野球という国民的行事において、応援団が堂々と姿を現せないのは明らかに異常だ。学校間のスケジューリング調整不足、夜間開催への配慮欠如、さらには「移動・滞在費の制度的支援」がなされていない点など、問題は根深い。
まず、全国大会参加校に対して文科省や高野連が応援団への出場・滞在支援を制度化するべきだ。次に、試合時間を含むスケジュール設計を、生徒の移動と安全を最優先に見直す必要がある。最後に、応援団活動を「部活動」ではなく「教育の一環」と明確に位置付けた運営ガイドラインが求められる。
「夢の舞台に立った選手」たちの背中には、応援できなかった仲間の思いがあった。その背景に「制度が味方しない現実」がある限り、本当の意味で高校野球は“教育の華”にはなり得ない。
ネットからのコメント
1、被害を受けた生徒の保護者が納得していない状況で甲子園に出場するのは違うと思う。たとえ高野連が認めたとしても、一番大切なことは被害者への対応だと思います。そこを置き去りにするのは違う。高野連からは出場を認められたが、現状を踏まえ辞退しますという判断をしていれば、まだ誠意は伝わると思う。高校野球は教育の一貫であり、犯した罪は誠意をもって償うという基本的なことを、学生のうちにしっかりと教育してほしい。
2、広島県民ですが、相手チームを応援してしまったのは初めてです。広陵高校が出した答えは、決して世の中の人に受け入れられる物ではありません。高野連がどうこうではなく、教育を重んじる立場の高校が自ら決断(辞退)をし、今回の問題に向き合って行くことが何より優先されるべきことだと思います。少なからず、監督は教育者、教員でもあります。
このままでは、ご自身が過去に発して来た言動そのものを否定しまうことになりますよ。これ以上、間違った道を進まないよう真剣に向き合って頂きたいと思います。
3、広島県吹奏楽連盟のHPを調べたところ今年の広陵の吹奏楽部がコンクールの県大会に出場するのは高校Aの部の1日目である8/9らしいので1回戦の明後日が本番です。直前リハのため断念したとの言い訳はそれなりに成り立つようにも思えますが…何だか苦しく聞こえますね。私の母校の野球部も甲子園出場校で自身も吹奏楽部(全国常連)に所属してましたが、高校Aレベル(55名)の編成組める学校は大概部員数多めで2軍制や3軍制を取っています。コンクールレギュラー組以外のメンバーを甲子園へ向かわせるとかOBやOGの参加を募るとか通常では方法はいくらでもあるはずなのでこれは違和感あります。一般の在校生の姿も見えなかったように思うので、学校側が生徒の安全確保のために応援団の編成と派遣を自粛したのかと思いますね。
4、勝利おめでとうございます。辞退しないという采配!流石です。どんどん勝って傷口広げていきましょう。
現状継続する判断をするその心意気、高校生の子供がいて高校野球が好きなイチファンとしては未来の為にはその方が良い気がしてきました。だって変わる気ないものね。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/c506d7afa434bfa818dea4a7402655202507ea5b,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]