事件概要

2025年8月7日、TBS「ひるおび」にて、日米間の関税交渉の結果に関する認識のズレが報じられた。日米間で合意された「相互関税15％」に基づき、米国のトランプ政権が突然、官報に「一律15％上乗せ」と取れる内容を記載した。この認識の食い違いが問題となった。経済評論家の加谷珪一氏は、事前に合意文書を作成しなかったことが逆に正解だったと指摘し、合意内容には最大5500億ドル（約80兆円）の対米投資が含まれているため、書面化するとさらにトランプ大統領が一方的に要求を強化する可能性があるとの見解を示した。

加谷氏は、交渉においては動揺せずに柔軟に対応することが重要であると述べた。

コメント

このような認識のズレが起きる背景には、交渉の不確実性とともに、相手側の交渉術の巧妙さが大きく影響しています。合意内容には膨大な金額が絡んでいるため、文書化することの危険性も明確です。しかし、今回の事態が示すのは、交渉のプロセスそのものがいかに不透明であり、相手側の意図がいつでも変わりうることにあります。これは単なる交渉の技術にとどまらず、国家間の信頼関係の問題でもあります。

問題の本質は、交渉の過程における透明性の欠如と情報共有の不十分さです。こうした混乱を避けるためには、事前に明確な合意文書を作成し、双方が認識のズレを最小限に抑えることが求められます。また、交渉の進行中においても、双方が意図を確認しながら進める必要があります。

具体的な解決策としては、①事前に細かい合意事項を文書化する、②交渉中にリアルタイムで情報交換を行う、③常に対話を重ねて信頼関係を構築することが挙げられます。

これを無視して進めると、またしても一方的な要求を受け入れざるを得ない状況に陥りかねません。

ネットからのコメント

1、加谷さんの意見に同意です。合意文書策定過程で日本が飲めない合意内容となる可能性が高いと思います。既に関税率のところで齟齬が出て来ており、どのお金で米国の80兆円を投資するのか不明で、国費からなどとなると日本の1年の国家予算の多くを米国向けへ投資することとなり不可能です。早期決着明確化で無く、時間を掛けて詰めて行くことが重要だと思います。

2、「相当事務方は詰めて話されてますから、さすがに官僚同士でちゃんと認識してなかったということは考えづらいです。まあ、やっぱりトランプさんじゃないですか」大統領令には、記載がなかったと言う報道があります。少なくとも大統領令を作成した事務方は、ＥＵと日本は違うという認識だったと思います。

3、自動車関税を15％にするための交渉だったはずなのに、自動車関税は25％のままで、15％に下がる時期は不明。

自動車以外も15％に落ち着いたはずが、元々の関税は15％に上乗せ、80兆円も払えと言ってくるでしょうが、契約の国を相手に、契約書なしで戦えると思っているのが不思議です。

4、８０兆円を払わなくて済む筈が無い。払わなければ、関税が上がるだけでありトランプ大統領が８０兆円を取るために無理難題を言ってくるだろう。EUや韓国が合意文書を作成している。この先日本の大失態がより浮き彫りになってくるだろう。外交を知らない経済専門家の言葉に意味は無い。