2026年7月12日から17日にかけて、福岡県うきは市のナシ農家・佐々木浩喜さんの農園で、収穫直前の「幸水」約5000個が盗まれた。ナシの木70本のうち50本から実が根こそぎ持ち去られ、被害額は約200万円に上った。佐々木さんは2025年にも同様の被害で6000個以上を失い、会社破産を経験していた。2026年7月22日の取材時には閉園も考えていたが、7月27日には全国や海外から数千件の応援が届き、再開に向け前向きな気持ちを取り戻している。

今回の事件は、単なる農作物の盗難ではない。2年連続で、収穫直前の果実約1万1000個が奪われ、農家の努力と生活基盤が踏みにじられた。しかも、70本中50本から短時間で5000個を盗む手口は、偶然の犯行ではなく、知識や人員、運搬手段を備えた計画的犯罪の可能性が高い。これほど大規模な被害が繰り返される背景には、農家側の防犯努力だけでは限界があるという制度的な問題がある。

必要なのは、被害者に「もっと警戒しろ」と負担を押し付けることではない。第一に、農産物盗難を専門的に捜査する体制を強化し、流通先まで追跡できる仕組みを整えるべきだ。第二に、地域と行政が連携し、防犯カメラや巡回支援を農家任せにしない制度を作るべきだ。第三に、盗難品を買い取る市場側にも確認責任を求める必要がある。

農家が汗水流して育てたものを、犯罪者が簡単に利益へ変えられる社会であってはならない。守るべきなのは5000個のナシだけではなく、真面目に働く人が報われるという社会の土台だ。犯人を捕まえ、再発を防ぐ仕組みを作らなければ、次に失われるのは別の農家の希望である。


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引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/e0f61e6aa7c9c87d55cc0b4240875df2d2b0ade9,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]