厚生労働省は、全ての介護事業者に対して、カスタマーハラスメント（カスハラ）対策を運営基準で義務付ける方針を固めました。この方針は、全企業に対するカスハラ対策を義務化する関連法の成立を受けたもので、慢性的な人手不足に悩む職員の保護と離職防止を目的としています。介護現場では、高齢者やその家族からの職員への暴言や過度な要求が大きな問題となっており、2023年の「介護労働安定センター」の調査によれば、訪問介護員の30.

4％、ケアマネジャーの18.6％がハラスメントを経験しています。これに対応するため、ハラスメント対応の手引も改定される予定です。現行の介護サービス運営基準ではパワハラとセクハラの対策が義務付けられていますが、カスハラ対策はこれまで推奨にとどまっていました。

カスタマーハラスメント問題の改善に向けて、政府がようやく一歩を踏み出しましたが、これまで放置されていた状況が問題です。慢性化している介護業界の人材不足は、「安全で働きやすい職場環境の欠如」が原因の一つです。政府がカスハラ対策を義務化したことで、職員が安心して働ける環境作りが求められます。3つの具体的な解決策として、第一に、定期的な職員のメンタルヘルスチェックやカウンセリングの導入。第二に、ハラスメント問題が発生した際の迅速な対応窓口の整備。

第三に、ハラスメントを未然に防ぐための利用者への啓発活動の強化が挙げられます。これらの施策を通じて、介護職員がより充実した職場環境を得られることが期待されます。理念としては「労働者の尊厳を守る社会」と「利用者の理解と協力」が大切であり、この二つを両立することが、介護現場の将来を明るいものにするでしょう。

ネットからのコメント

1、現場で働いていて、保護者との対応で罵声を浴びせられた経験が何度もあります。施設内でも病院でもどんな場所でもです。家族は利用者の幸せを考えてのことなのは十分承知ですが、利用者本人の意思でもないことを突きつけて（見栄えが悪いから刻み食はやめてくださいなど）本人は食べづらいのに勝手に決められ、しまいにはそんなことは言ってないなど言って管理者に文句を言ってくる。結局誤嚥性肺炎で入院してしまいました。こんなのばかりです。そりゃやめたくもなりますよ。一刻も早くカスハラ対策を保護者にも周知させてください。

2、虐待について外部との集まりがあると、必ず、職員の人権や職員への虐待が、サブタイトルとして話題に上がります。

弱者と「言われる」方々を相手に仕事をしてるがゆえに、最終的に我々が、世間的にそれよりも下に見られます。嫌なら辞めればいい、つかなければいい。好きでやっています。だから、辞めなくてすむような、こういった声が上がるのは前進だと思います。モチベーションが保たれれば、介護の仕事に対してのよい認識、よい介護が生まれ、その余裕が対象者に向けられます。モチベーションが落ちれば、悪い循環が発生します。ただ、我々、上司、現場職員、利用者、家族、身元引受人、外部の関係者たちのど真ん中で、何でも屋の中間管理職は、さらに恐怖です。

3、以前、介護の現場で働いた経験があるがカスハラは日常茶飯事。厚労省がようやく動いてくれたかって感じです。合わせて介護事業所はケアマネからのハラスメントも少なからず存在してます。ケアマネからの要望を聞いてくれなければ印籠のように「もうお宅には紹介しません」のセリフ。これを避けるために介護事業所では無理難題を強いられる場面も少なくありません。これに病んで離職した仲間もおりました。厚労省には是非ケアマネからのハラスメント調査もお願いしたいものです。

4、元デイサービス職員です。送迎時、ご家族様から罵声を浴びせられる事が多々あります。「早く連れて行け」とご家族様から怒鳴られて背中を押されても、認知がある利用者様の場合、拒否が強い事もあります。無理矢理連れて行く事で転倒する可能性も高いです。私は女性ですので、身体の大きい利用者様の時はとても怖いです。介護度が決められていますが、大変度(手がかかる度)とは違うのがとても問題だと思っています。利用者様一人に対して、職員一人以上取られたら、他は回りません。