文部科学省は2026年7月22日にも、全国の私立大学609法人に対し、株式などリスク性資産を含む積極的な資産運用を促す通知を出す方針を決定した。少子化で進学者減少が進み、学費収入低下が見込まれるためで、2009年以来17年ぶりに方針転換。私大の運用資産は2024年度決算で約10兆円、その8割は預金・債券で占められている。

大学経営の苦境を理由に、資産運用へ大きく舵を切ること自体は理解できる。しかし、教育機関が金融機関のような投資競争へ向かう危うさを軽視してはならない。過去にはリーマン・ショック後の2008年秋、運用損失で打撃を受けた私大が相次いだ。問題の本質は、少子化という構造変化に対して、大学の経営改革を後回しにしてきたことにある。投資収益を追う前に、教育の質向上、無駄な支出の削減、大学間連携による経営効率化を進めるべきだ。
その上で、①専門家を含む独立した運用管理体制の整備、②損失限度や情報公開ルールの明確化、③投資収益を奨学金や研究費へ還元する仕組みづくりが不可欠である。大学は利益追求企業ではなく、社会の知的基盤だ。未来への投資を金融商品だけに任せる社会は、教育そのものの価値を見失っている。
ネットからのコメント
1、文科省は少子化で学生数が減ることを分かっていながら、大学の再編や定員適正化を十分に進めず、今度は資産運用を促すというのは順番が違うように思います。経営努力を投資に委ねる前に、大学のあり方そのものを見直すべきではないでしょうか。限られた税金は、日本人学生が安心して学べる環境や学費負担の軽減に優先して使うべきです。留学生支援の制度も一度検証し、本当に日本の将来につながる教育政策になっているのか、文科省には説明責任を果たしてほしいと思います。
2、私は、以下の理由により、今般の通知には問題があると考える。まず、記事にあるとおり、従来、元本保証のない金融商品への投資について、「必要性やリスクを十分に考慮して慎重に取り扱うべき」旨が通知されていた。
他方、今後は、「(前略)『株式などのリスク性資産への投資も含め、資産運用の促進・高度化』を図る必要がある」旨が通知されるとのことである。しかし、上記の変更は「コペルニクス的転回」というものであり、その理由についての十分な説明が必要だろう。とりわけ、大学には金融商品の内容、リスク等を理解できる人材が少ないことに鑑みれば、「適切な金融商品の選択基準」に関するガイドラインを併せて策定することも必要ではないか。次に、文科省の「本音」は、「私立大学等経常費補助金」等の補助金の財源不足にあると思われる。仮にそうならば、むしろ「私立大学の数の是正」に関し、真剣に取り組むべきではないか。
3、そこまでしてFラン私大を残す必要はないと思います。実績のない私大への補助金は廃止し、生き残れない私大は自然に淘汰されていけば良いだけの話だと思います。無理に我々の血税を補助金として注ぎ込む必要はないですし、今後の急激な少子化の進展にあわせてFラン私大はその役目を終えていくべきではないでしょうか。
4、少子化による収入減や物価高で財源確保が急務なのは理解できますが、リーマン・ショックで多額の損害を出した過去の教訓を忘れてはなりません。
株式などのリスク性資産は当然ながら元本割れのリスクがあり、運用に失敗した際に「学費の値上げ」や「教育環境の悪化」として学生や保護者にしわ寄せがいくことが最も懸念されます。国が積極運用を促すのであれば、万が一の損失が出た際の責任の所在やガバナンス体制の強化、投資専門人材の確保といった裏付けを厳格に求めるべきです。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/2fc662362fdd32067f02f1e70419291fc8ee77d7,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]