2025年7月31日、スイスとアメリカの首脳は電話会談を行い、貿易収支問題を話し合った。アメリカのドナルド・トランプ大統領は、スイスが年間400億ドル(約6兆円)の対米貿易黒字を抱えていることを問題視し、スイスが解決策を提案しないことに激怒した。結果、トランプ氏は8月7日からスイス産輸入品に対して39%の関税を課すと発表した。
スイスのカリン・ケラー・ズッター大統領はこの考えを「馬鹿げている」と反論。関税適用により、高級時計などのスイス製品の価格が上昇し、米国の消費者や流通業者がショックを受けた。
この貿易摩擦は、単なる経済的な対立を超えて、国際政治における権力の誇示と、短期的な利益に対する過度の依存がもたらした結果と言える。特にトランプ大統領の態度は、問題の解決よりも報復的な感情に基づいており、国際的な貿易協定における基本的な理解を欠いていることが明白だ。スイスは過去に積極的な貿易政策でアメリカと良好な関係を築いてきたが、このような強硬措置が今後の国際関係に及ぼす影響は計り知れない。
解決策としては、まず対話を通じた交渉の場を設け、貿易の不均衡を是正するための建設的な提案を求めることが必要だ。
さらに、貿易協定には双方の利益を反映させる柔軟な調整を盛り込み、制裁を避ける道を探るべきだ。また、消費者への影響を最小限に抑えるために、関税引き上げを段階的に行い、適切な調整を行うことが求められる。
いかに自国の利益を守ることが重要だとしても、国際社会のルールに基づいた合理的な対応が最も重要だということを再認識すべきだ。
ネットからのコメント
1、トランプに限らずアメリカ国民(あるいは日本でも)の少なくない人がこうした関税施策に対して誤解をしている。そろそろ判るんじゃないかと思っているが、一向に本質を知る気配が無い。反知性主義の恐ろしいところだ。中国やかつての日韓のように、価格勝負で『世界の工場』となっているなら【為替レート】や【関税】が打撃となる。だが指名買いや固有品質の商品の貿易においては、それらは単純に国内での価格上昇にしかならない。関税上昇はただの国内向けの増税でしかない。ましてアメリカに競争力が無い分野においては、消費者はなすすべなく価格高騰を喰らうしかなくなる。スイスなんてその典型例だと思うのだが。
本来日本も右往左往せずにドンと構えていればいいのだ。特に部品産業や製作機器については唯一無二のものが多いのだから、値が上がって買われなくなる、というものではないのだし。
2、スイス産品には廉価多売品はなく,だいたいが高級でその品質は購買者の絶対的な支持を得ているので,関税分は単純に販売価格に上乗せされるだけだろう。これは関税が何%になっても同じだと思う。関税に意味があるのは,輸入品とほぼ同等の価値のものが純国産で作られているときだけ。今回は,米国政府は単純に米国国民から関税という名の税金を巻き上げるだけに終わるだろう。
3、感情で関税を上下させる大統領は、アメリカを破滅に導いている。こんな国を信用しろと言われても無理がある。国交に平気で飴と鞭を使ったり、恫喝したりは政治に対する能力が無い証拠だ。現にトランプは政治家になる前は実業家をしていたらしいが、二度三度と破産しており、その都度ロシアに助けられたという事実があるようで、そのことからもトランプは信用するに値しない人間ということも分かる。
4、>会談で年間400億ドル(約6兆円)規模のスイスの対米貿易黒字を>集中的に問題視し、「スイスが米国から金を盗んでいるのと同じことで、>これを解消するためにはスイス側の措置が必要だ」と主張したという。
まあ無茶苦茶な主張なのはその通りなんだけどね。スイスの商品にアメリカ人を引き付ける商品があり、アメリカにはスイス人をそれだけ引き付けるものが少ないってだけで。もちろん自国商品優遇やヨーロッパ優遇などの輸入障壁があるのであればそれは不公平なので撤廃を求めるのはわかるけど。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/1f7d64a041001defcbb298f5fee615b84073e9b3,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]