事件概要:加藤英明さん(51歳)は、29歳の時に自身が精子提供によって生まれたことを知った。きっかけは、病院の実習で血液型が父親と一致しなかったことから始まる。母親は突然、加藤さんに精子提供による出生の事実を告白。しかし、母親は詳細を話さず、加藤さんはその後20年以上、遺伝的な父親を探し続けている。加藤さんの父親は無精子症だったため、慶応大学病院で精子提供を受けて生まれたことが判明。
加藤さんは医師として、出自を知る権利が尊重されるべきだと主張し、現在も遺伝子検査技術を使って、同じ精子提供者から生まれた可能性のある兄妹を探している。生殖補助医療の法整備と当事者の声が重要だと訴えている。
コメント:加藤さんの経験からは、医療や社会の中で置き去りにされている当事者の声が浮き彫りになります。特に、生殖補助医療が進化し、次世代を育てる重要な医療技術となる中、子どもが知るべき事実を隠すことが常態化してきたことには疑問を抱かざるを得ません。子どもは親の“所有物”ではなく、未来を担う個人として尊重されるべきです。出自を知らないまま生きることの苦しさを経験した加藤さんのような事例が減らないよう、法整備においても“当事者の声”を中心に据える必要があります。今後、社会はこうした問題を正面から受け止め、子どもの権利を守るための議論を深めていくべきです。
ネットからのコメント
1、血の繋がりを求めているというより、自身のアイデンティティを知りたいだけでしょそして育ての親にはなぜ教えてくれなかったんだと不信感を抱いたのでは育ての親に感謝はもちろんあるだろうが、産んで育ててくれと頼んで産まれて来たわけでは無い父親の言い方はやはりどこか他人事親になる人は自分達が子供が欲しいかどうかより、産まれてくる子供の幸せを考えて欲しい
2、精子提供が医学生で、この人もそれを知った時には医師だったというのが興味深いです。やはり、自分という人間の遺伝学的なルーツを知りたいという思いは当然な気がします。
ましてこの方は医者でもあるし。でも、提供者の人にもおそらく家庭があるし、難しい問題ですね。
3、常識や倫理観は、案外簡単に変わってしまう。約25年前、私の親友が癌に冒された頃はまだ本人への告知は一般的では無く、家族がまず先に知らされ、その知らされた家族の意思で告知するか伏せるか選択された。まだ産まれていない子の、将来知る権利にまで追いついていないのもわかる気がする。子供を欲しがる方には、その赤ちゃんはいつかあなたと同じように大人になる事を、そしてあなたとは違う価値観や考えを持つ人間になる事を考えて、どのような医療を受けるか考えて欲しいとこの記事からは思った。
4、「隠しておくことが子どもの幸せだ」これは事実かもしれない。ただそれは最後までバレなければの話で、今の時代、遺伝子上の関係は容易に調べる事ができるようになった。その為、後でバレるくらいなら小さい頃から本人に告知しよう、その方が幸せになれるという考えに変わってきたわけで、科学の進歩がなければこの発想は昔と変わっていなかったかもしれない。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/52b72b3d09df7d2c17839bfd47eb830316faa4ab,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]