事件概要

神奈川県の化学機械メーカー「大川原化工機」をめぐるえん罪事件で、警察当局は2025年8月7日、当時の公安部幹部ら19人に対する処分または処分相当の措置を発表した。処分対象の多くは既に退職済で、最も重いものは「減給10%、1か月の懲戒処分相当」とされた元警視と元警部。また、警察庁長官や警視総監による訓戒相当の処分も含まれる。

検証結果では、公安部長が捜査責任を果たさず、幹部への報告も形骸化していたと指摘された。

コメント

冤罪という国家的な失態に対して、「退職済につき処分相当」とする対応は、あまりに無力で国民を愚弄している。人ひとりの人生を破壊した捜査の過程で、幹部は責任を取らず、報告体制は形骸化、捜査方針の検証もなされなかった。これは偶発的な過失ではなく、組織としての制度的怠慢である。

問題の核心は、警察内部での責任の所在が曖昧で、退職すれば免責されるという構造そのものだ。検証チームの指摘を受けてなお、形式的な処分で済ませるのであれば、再発は避けられない。

根本的な改革が不可欠だ。①退職者でも処分と賠償責任を負う制度整備、②幹部の捜査責任を明文化し、第三者機関による監査を義務付ける、③冤罪被害者への迅速な補償と名誉回復の法整備を進めるべきである。

冤罪は「誤解」ではない。制度が人を殺す、その構図を許す限り、正義は永久に形だけのものとなる。

ネットからのコメント

1、思っていたよりはちゃんとした謝罪であり処分であると感じた。処分内容としてはあまりにも軽いし、組織としての認識はなく現場のやったことという言い方ではあるが、警視総監が明確に「違法捜査」という言葉で認めて関係者を処分したことは前進だと思う。もちろん失われた時間を取り戻せるわけではないが、社長を含めた会社側も少しは誠意を感じたのではないだろうか。袴田さん事件の無罪確定後に袴田さんを犯人扱いし、未だに謝罪もせず証拠捏造を認めず関係者へのまともな処分すらしていない検事総長も見習うべきだと思う。

2、この捜査の途中で捜査当局の仕掛けにまんまとハマり、彼らの背中を大きく押し出す役目を見事に果たした経済産業省の課長補佐（当時）も事件後に省内で出世していないか検証するとともに、顔出し実名を明かした上で少なくとも相澤さん遺族には頭を床に擦り付けて謝罪しなければ、世間は絶対に彼を赦さない。また、相澤さん側からの病状悪化を理由とする何度もの保釈請求をことごとく却下し続けた裁判官もみずからが実名を上げて謝罪しなければ、法治国家たる日本の司法制度を国民が尊重し維持しようとする気にはなれません。

文春や新潮などのマスコミも、この経済産業省の課長補佐と保釈請求を却下し続けた裁判官（たち？）に対する取材追求の手を、これからも決して緩めることなく引き続き更にギアを上げて強くするよう宜しくお願いします。　国民は世間は彼らが成果を上げて週刊誌においてこれから誌上で詳しく公表することを、大いに期待しています。

3、公務員を正式に懲戒するなら、「訓戒」ではなく「戒告」にする。戒告なら、立派な法律上の処分となる。（それで十分と言えるかはともかくね）だが、訓戒というのは、法律に定められていない。部屋に呼び出してお説教するのと大して変わらないことでしかない。退職者を処分しようがないのは法律上どうしようもないし、ごくごく下っ端でほとんど権限もないような関与しかしていない（書類整理担当者の類）なら訓戒でもしゃあないかなとは思うが、逮捕など相当な権限を持っていた人物を戒告ですらもない訓戒で済ませているのは、身内に甘いという批判は免れない。

4、え？処分だけですんじゃうの？冤罪で人生相当狂わされた人もいるし、違法性ないかどうかもしっかり調べないと色々流れている動画とかみてるけど、大声でとなり散らしたり、黙ってれば不利益になるとかをほのめかしたり脅迫やら威力妨害に問われてもおかしくないと思いますけど