12月19日、農林水産大臣の鈴木氏が「需要に応じた生産」を食糧法に盛り込む減反強化策を発表する一方で、キヤノングローバル戦略研究所の山下一仁氏は、その政策が実際には減反を強化するものであり、米価が上昇し続ける可能性があることを指摘しました。彼は、減反政策が日本の食料安全保障に悪影響を与えていると批判しています。鈴木大臣は、生産者が市場の需要に応じて主体的に生産を行うことを期待していると述べましたが、同氏はこれを無理な要求と評し、実効性のない政策だとしています。

農政が抱える問題は単なる鈴木大臣の発言に留まりません。減反政策の強化という名の下で、米価を守るという旧態依然とした政策が日本の農業を取り巻く現状です。第一に、農水省は適切な経済学的知識を軽視し、簡単に市場の需給バランスを崩しています。これは、減反政策に伴う悪循環であり、米価高騰という結果を招いています。第二に、個々の農家が市場動向を正確に把握し、生産を調整するという現実的でない期待が盛り込まれています。市場の規模と生産者規模の不釣り合いがある中で、この政策は非現実的です。

実行可能な解決策として以下を提案します。まず、需給の調整は政府の介入ではなく市場に委ねるべきです。農業においても価格は需給で決まり、市場の自然な調整機能を活用することが何よりです。次に、農家の生産リスクを軽減するために、先物取引市場を設けることが有益です。

これにより、農家は価格変動リスクを軽減でき、安定した経営が可能になります。最後に、農水省内での経済学的知識の向上を図り、もっと実効性のある政策立案を推進する教育改革が必要です。

鈴木大臣の現政策は、評価経済社会の片隅にしか存在しなかったものを、あえて日の目にさらすだけのものに過ぎません。経済知識を無視した減反施策は、決して持続可能な農業のための方策ではありません。

ネットからのコメント

1、米は多少の値上げでも需要はあるからそこまで購入を控えようとおもわない。だけど、これが元の５ｋｇ２０００円代ほどの半額になっても、今の２～３倍も買うかと言われれば、そんな事はない。だけど、今は倍以上の値上げによって、需要が減るほどの買い控えが発生して、米が倉庫に余っている。この状況は素人の私がみてもおかしいと思う。それなのに、「価格は市場が決める」って何を言っている。それに農家の方からすると、大臣が変わる度にコロコロと方針変更されたら、たまったものではないでしょう。就任当初はいかにも「農家の未来を見据えています」みたいな態度だったけど、どんどん化けの皮が剥がれてきています。

本当にこの大臣のやり方を支持しているのは、ＪＡと農水省くらいなのでは。

2、やはり米増産に舵を切ると言った石破氏を農相に充てるべきだ。首相として何もできなかったが農政の方針は間違ってはいなかったと思う。評論家気取りで内閣の批判ばかりしてないで農水省をぶっ壊すつもりでもう一度実務を担ってみてほしい。

3、JAと農水省がイチゴやブドウ、みかんなどの果物を次々とブランド化し価格を引き上げた結果、果物は庶民にとって日常的に食べられない高級品となった。厚労省が示す1日200gの果物摂取目標に対し、実際の平均摂取量は約93gにとどまり、4割の人が1日に果物を全く食べていない。これは世界的にも最低水準に近く、海外では安価で質の良い果物を毎日食べるのが一般的だ。果物はビタミンや食物繊維が豊富で、2型糖尿病予防など健康維持に重要である。日本人が果物を常食しないことは健康悪化を招き、医療費増大につながる可能性が高い。日本の長寿社会も、誰もが安い医療を受けられる保険制度に支えられているに過ぎない。本来はシャインマスカットの国外流出を問題視する以前に、それをまともに食べられない国民の現状こそ憂慮すべきであり、JAや農林族の既得権益が国家財政や国民の健康に影響を及ぼしている現実がある。

4、この期に及んで減反と米価維持に固執し、そのうえ自治体へも減反の圧力をかけてたと。ここまでくるとあの何一つせず失言で去っていった前前農相のほうがましにみえてしまう。どこまで民意を無視して利権団体優先の農政をするのか。徹底的に国民を小馬鹿にする姿勢が許しがたい。内閣改造あれば交代の第一候補なんだろうけど。