2025年10月、SNS上で企業による新入社員や若手社員のダンス動画が物議を醸しています。これらの動画は、企業が親しみやすさをアピールする意図がある一方で、「ブラック企業」「強制的な社風」として批判の対象となっています。動画の視聴数は約100万回に達し、投稿には「ブラック企業の新人研修」「デジタルタトゥーとして残る」といった批判が飛び交っています。

一部の新入社員が泣き出す事態も発生し、その背後には企業が若手のプライバシーやメンタルヘルスを軽視する問題が浮き彫りになっています。こうしたPR戦略は企業の採用やイメージに負の影響を与える可能性があり、若手社員とのジェネレーションギャップも指摘されています。

新入社員にダンスを強制する動画は、企業PRの常識を疑わせる現象です。本来、親しみを求める企業の意図は理解できるものの、ダンスが強制され、個人の自由やプライバシーが侵害される点は異常です。この問題の本質は、企業の管理体制における欠陥と、労働者に対する尊重の欠如です。まず、社風改善のために、従業員の意見を積極的に取り入れ、強制的な慣習を排除する必要があります。次に、SNSでの個人情報の扱いに関して明確なガイドラインを設定し、従業員が安心して働ける環境を提供すべきです。

そして、企業の教育制度を見直し、メンタルヘルスを重視した研修を導入することが求められます。これらの対策によって初めて、企業は真の意味で人材を育成し、持続可能な成長を実現できるでしょう。若手社員に対する過剰なプレッシャーは、ただ不満をかき立てるだけで、長期的には双方にとって不利益です。企業はその価値観を再評価し、信頼と安心を提供する企業文化を目指す必要があります。

ネットからのコメント

1、企業の親しみやすさをアピールするための動画なら、新入社員ではなく、部長や役員クラスの人が踊った方が好感が持てるように思います。

2、スピーチとダンスは別物でしょう。何をスピーチさせるのかとか、どういう職種や業種かにもよるけれど、仕事で人前で話す可能性があるのであればまだ分かる。ダンスは分からない。

3、意外と、そのタイプのアピールは効果的だ。ただ社風はかなり限定されるし、嫌がる人（私もそう）が多い。あれを見て好感を持つ層を想像するとわかる。「パリピ」「体育会系特有のおちゃらけ感が強い人」「そのノリについていけない人を嘲笑う層」などがそれに当てはまるが、おそらく同僚内輪の雑談もそのレベルのものばかりだということが想像される。

いわば「犬笛」みたいなもので、特定の層を強く誘引する効果がある。もう一つ効果がある。逆にそれに適応できないのに動画を無視して入社した社員は、その動画の新バージョンを作るときに辞めていく。つまり入社後にも「犬笛に気づいて集まってくる人たちから疎外されているという感覚を抱かせ、退職を促す」効果もあるということになる。ただそういった会社は、人事がザルの場合が多く、それを流した時点で成長はしない。苦手だな、と思った時点で近づかないのは賢明な判断だと思う。

4、以前AKB48の「恋するフォーチュンクッキー」が大ヒットした時、色々な企業がこぞって社員のダンス動画を投稿していましたよね。あれは社員の自発的なものだったのか、会社からの半強制だったのか、どちらだったのでしょう。また時折若手社員達がダンスするパターンのTVCMを見ますが、企業側としては「こんなに楽しい働きやすい会社ですよ」とPRしたいのでしょう。しかし視聴者としては、いかにもやらされている感満載の素人の下手なダンスを毎回見せられて、かえって逆効果になっている思いますね。