サイゼリヤは2025年8月期決算で、売上高約2567億1400万円、営業利益約154億9900万円、純利益約111億6400万円を記録し、過去最高益を更新した。値上げを避ける一方、原価率は約42%まで上昇。しかし、自社工場による食材加工・調達、店舗運営効率化、セルフオーダー導入などでコストを抑制した。2019年から2025年にかけて客数は約2億2800万人から約3億人へ31%増加、客単価も686円から857円へ25%増加した。店舗数も1506店から1700店へ拡大し、低価格戦略で利益を確保している。

サイゼリヤの成功は「値上げしない」という単純な美談ではない。多くの企業が安易な価格転嫁に走る中、同社は供給網の自前化、生産性向上、店舗運営の改善によって消費者負担を抑えながら利益を出した。この姿勢は評価されるべきだが、同時に見逃してはいけない問題もある。
原材料費、人件費、為替変動という外部圧力は企業努力だけでは永遠に吸収できない。低価格を維持する裏側で、現場従業員への負担が過剰になれば持続性は失われる。
今後必要なのは、第一に省人化設備やIT投資による現場負担の軽減、第二にサプライチェーン強化による原価変動への耐性向上、第三に営業時間や店舗運営の最適化による利益源の多様化である。安さだけを競えば企業も社会も疲弊する。しかし、知恵と仕組みで価値を生み出す企業は生き残る。消費者に負担を押し付ける経営と、努力で価値を守る経営。その差こそ、これからの時代に問われる企業の本質である。
ネットからのコメント
1、サイゼリヤの企業努力には、心から敬意を表します。値上げをせずに垂直統合や生産性向上でコストを吸収し、過去最高益を実現した経営手腕は見事だと思います。消費者としても、長年価格を据え置いてくれた姿勢には感謝しかありません。そのサイゼリヤが6年ぶりに値上げを検討しているとの社長発言もありました。私はこれを前向きに歓迎したいと思います。あれほど値上げを我慢してきた企業が動くのですから、それだけ環境が厳しいということでしょう。
本来、原材料や人件費の上昇分を適正に価格へ転嫁できる社会であるべきです。値上げを忌避する風潮が続けば、賃上げの原資が確保できず、結局は働く人の給与にしわ寄せがいってしまいます。大切なのは、社会全体の購買力を底上げすることです。賃金が上がり、値上げも受け入れられる好循環が生まれてこそ、企業も消費者も持続的に豊かになれます。サイゼリヤの決断が報われる社会を願っています。
2、とはいえ、都心部のサイゼリヤは次々と閉店しています。家賃上昇に耐えられないからだと思います。物価高の中、お手頃な価格で料理を提供していただけるのは、本当にありがたいですね。こういった企業こそが、存在するだけで社会貢献できている優良企業なのだと思います。今後も応援したいと思います。
3、庶民の味方サイゼリヤ。もちろんこれではあまり儲からないから海外で稼いで利益出しているわけで。さすがに客からも同情が起きて「メニュー減らすなら値上げしてくれていいから」との声が上がるレベルに。社長の値上げ考える発言で株価爆上がりするのはなかなかないし、容認もされた。
今は合理化で利益出していたが先行き不安だから価格上げてサービス強化をすべきとき。これからも良いサービスを合理的価格で提供してほしい。
4、この記事は「値上げせず客数を増やし、固定費率を薄めた」と説明するが、その生産性向上を誰が支えているのかという視点が抜けている。2025年の有報では、国内の正社員2,215人に対し、準社員は8時間換算で11,853人。労働力の約84%を準社員が占め、2019年の約82%からさらに上昇している。一方、準社員の賃金水準・離職率・外国人比率は開示されていない。仕入先との取引条件も不明だ。安さと最高益だけでなく、その利益が純粋な効率化によるものか、立場の弱い従業員や仕入先への負担によるものかまで検証してほしい。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/4fdf5b86fdf1ffb55ffe58fa6a55b03b9911d5b1,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]