2023年、日本は名目GDPでドイツに追い抜かれ、世界4位となりました。ドイツのGDPは約4.4兆ドルで、日本の4.2兆ドルを上回っています。この30年間で、日本のGDPはほぼ横ばいに対し、ドイツは2倍になりました。労働生産性でもドイツは日本の1.5倍です。ドイツは1人当たりの年間労働時間が日本より短いにもかかわらず、効率的に成長を遂げています。

非正規雇用の増加や海外への生産拠点移転が、日本の生産性低下の一因とされています。日本の製造業生産性は米国・ドイツの約3分の2に留まり、「ものづくりの国」としての栄光は過去のものとなりつつあります。

この問題は、日本の製造業が陥っている制度的な過ちを浮き彫りにしています。高い労働量にもかかわらず低い生産性は、非正規雇用の増加や労働環境の硬直性と密接に関連しています。これは日本企業が効率よりも労働量を重視した結果です。生産拠点の海外移転も、結果として国内の労働生産性を押し下げています。これらの問題に対する解決策として、まずは非正規雇用を見直し、労働者の責任感とスキルの向上を図るべきです。また、国内の技術革新を促進し、企業が生産性向上に集中できる環境を整備する必要があります。そして、働き方改革を進め、労働時間ではなく結果にフォーカスした評価制度を導入することが求められます。

こうした改革が実現できれば、日本は再び製造業大国としての地位を取り戻すことが可能となるでしょう。目標は単に労働量を増やすことではなく、質と効率を高めることです。これこそが、真の競争力につながります。

ネットからのコメント

1、この手の記事を見るといつも思うのが、同じ物を同じ様に作るとしたら日本とドイツでも、他の国でも大差ないのでは？と思います。法律による規制や環境、文化等て生産性の差が出るかもしれませんが。あとは為替の影響もつよいと思ってます。円安で輸出企業は儲かるかもしれませんが、こういった比較の場合ドル計算がほとんどなので日本は不利になってしまいます

2、日本人の働き方は目に見える利益より、身の回りの物質・物量的な豊かさを実現することを目的にしていると思う。あらゆる場所で新鮮な食材や物資が手に入るし、時間に正確な交通網が地方まで比較的行き届いており、インフラも強い、娯楽も過剰なほどに揃っている。これを実現しようと思うと業務量が増え拘束時間も長くなる。ドイツ含め効率的な仕事をしていると謳われる国々で日本のような環境を実現している国があるでしょうか？そもそもどんな社会を望み、何を選択するかで働き方は変わると思います。

3、24時間営業のコンビニ、日曜は完全休業のデパートやスーパー、時間に正確な電車、これらが全て無い社会。社会全体で概ね8割OKなら良しとするか、最後の2割まで突き詰めるかだな。但し、最後の2割に8割の時間と労力がかかるんだけどね。

4、生産性を上げる為には、設備投資による自働化が必要になります。しかし、日本では非正規労働者、外国人労働者により低賃金での労働力が手に入ります。なので、自働化するよりも低賃金労働者の方が良いという計算になってしまいます。これは、ある意味で政府による生産性低下政策の結果だと思います。